蹂躙
「領土を蹂躙する」などのように使う「蹂躙」という言葉。
「蹂躙」は、音読みで「じゅうりん」と読みます。
「蹂躙」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「蹂躙」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
蹂躙の意味
「蹂躙」には次の意味があります。
・ふみにじること。暴力・強権などをもって他を侵害すること。(出典:デジタル大辞泉)
力のあるものが、弱い者の権利を踏みにじったり、侵害したりすることなどを指します。
「蹂」と「躙」はどちらも「踏みにじる」という意味を持つ漢字です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・科学技術を身につけた新しい文明は軍事力によって古い世界を蹂躙していく。
(出典:池上永一『テンペスト2 花風の巻』)
・彼のいうことには、何かしら人の心を蹂躙してしまうような真実があった。
(出典:ロレンス/飯島淳秀訳『チャタレイ夫人の恋人』)
・敵が戦車をもって殺到すれば蹂躙にまかせるほかはない状態であった。
(出典:五味川純平『ノモンハン(下)』)
・肉体的にも完膚なきまでに蹂躙し、武士道の前に屈服させてやるのだ。
(出典:つかこうへい『つか版・忠臣蔵』)
・何度か入ったことのある秀幸の部屋も、すでに炎に蹂躙されていた。
(出典:山本弘『審判の日』)
類語
・侵害(しんがい)
意味:他人の権利や所有などをおかして損害を与えること。(出典:デジタル大辞泉)
・侵略(しんりゃく)
意味:他国に攻め入って土地や財物を奪い取ること。(出典:デジタル大辞泉)
・侵犯(しんぱん)
意味:他国の領土や権利などを不法に侵すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・犯寇(しんこう)
意味:他国や他の領土に侵入して害を加えること。(出典:デジタル大辞泉)
・蚕食(さんしょく)
意味:蚕が桑の葉を食べるように、他の領域や物などを片端からだんだんと侵してゆくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)