賽は投げられた
「すでに賽は投げられた」などのように使う「賽は投げられた」という言葉。
「賽は投げられた」は「さいはなげられた」と読みます。
「賽は投げられた」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「賽は投げられた」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
賽は投げられたの意味
「賽は投げられた」には次の意味があります。
・サイコロはもう振られてしまった。いったん決断して行動を始めた以上、最後までやりぬくしかない、ということのたとえ。(出典:故事成語を知る辞典)
シーザー(カエサル)が、ルビコン川を渡る時に言ったとされる言葉で、もう最後までやるしかない、ということを例えた故事成語です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・どちらにしても、賽は投げられたのだ。
(出典:ジェイムズ・ブリッシュ『宇宙都市シリーズ(全4巻) 2 星屑のかなたへ』)
・運命の賽は投げられたのである。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル9] 横溝正史 「女王蜂」』)
・しかし、すでに賽は投げられたのだ。
(出典:バローズ『火星シリーズ1 火星のプリンセス』)
・その煌きらめく二つの眼光を浴びながら、ついに賽は投げられたと、彼は感じた。
(出典:夏樹静子『アリバイの彼方に』)
・しかし忘れたころに「賽は投げられた」なんていう人がいるが、これは間違いである。
(出典:ビアス/奥田俊介,倉本護,猪狩博訳『悪魔の辞典』)
類語
・火蓋を切る(ひぶたをきる)
意味:物事に着手する。行動を開始する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・背水の陣(はいすいのじん)
意味:川や湖、海などを背にした陣立て。もう逃げ場はないと覚悟した上で、ものごとに取り組むことのたとえ。(出典:故事成語を知る辞典)
・ルビコン川(ルビコンがわ)
意味:古代ローマ共和政時代に、属州ガリアとイタリアとの境をなした川。前49年、ポンペイウスとの対決を決意したカエサルが「賽(さい)は投げられた」と叫び、元老院令を無視して渡河したという故事で知られ、重大な行動に出るたとえとして「ルビコンを渡る」と用いられる。(出典:デジタル大辞泉)
・肉を切らせて骨を切る(にくをきらせてほねをきる)
意味:自分も痛手を受ける代わりに、相手にそれ以上の打撃を与える。捨て身で敵に勝つ。(出典:デジタル大辞泉)
・伸るか反るか(のるかそるか)
意味:成否は天にまかせ、思い切って物事を行うこと。(出典:デジタル大辞泉)