謙譲
「敬語や謙譲語」などのように使う「謙譲」という言葉。
「謙譲」は、音読みで「けんじょう」と読みます。
「謙譲」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「謙譲」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
謙譲の意味
「謙譲」には次の意味があります。
・へりくだりゆずること。自分を低めることにより相手を高めること。また、控えめであるさま。謙遜(けんそん)。(出典:デジタル大辞泉)
「謙譲」をわかりやすく言うと、自分のことを控えめにして相手のことをより引き立てるという意味の言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これまでの満足の表情は後悔と謙譲の表情に変わっていた。
(出典:O・ヘンリー/大久保博訳『O・ヘンリー短編集(上)』)
・なぜかと申しますと、誹謗というものは時には傲慢な人を謙譲にさせます。
(出典:チョーサー/西脇順三郎訳『カンタベリ物語(下)』)
・その極度の謙譲は、私にはよく分らないけれどもあるなぐさめは得られる。
(出典:宮本百合子『日記』)
・自分を司教にだけ比較していた間は、彼は自分の足りないのを知って謙譲であった。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・取りようによっては、素朴なところも、謙譲なところも、図々しさに変じた。
(出典:井上靖『星と祭下』)
類語
・謙遜(けんそん)
意味:へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・卑下(ひげ)
意味:おのれを低くし、卑しめること。へりくだること。また、気がひけて遠慮がちにすること。また、そのようなさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・謙虚(けんきょ)
意味:控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・卑屈(ひくつ)
意味:いじけて、必要以上に自分をいやしめること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・恭謙(きょうけん)
意味:慎み深く、へりくだった態度であること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)