誼
「誼を結ぶ」などのように使う「誼」という言葉。
「誼」は、訓読みで「よしみ」と読みます。
「誼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「誼」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
誼の意味
「誼」には次の二つの意味があります。
1親しい交わり。また、それによる親しみや好意。
2人と人、事柄と事柄とのつながり。縁故。因縁。いわれ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
誼の意味①「 親しい交わり。また、それによる親しみや好意」
誼の一つ目の意味は「 親しい交わり。また、それによる親しみや好意」です。
わかりやすく言うと、親しい間柄や義をもって接する人との付き合い方になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・どうかきょうまでと変わらぬ誼よしみをば、このさきもお続けえって下んせ。
(出典:浅田次郎『壬生義士伝 上』)
・これは友人の誼よしみで名前の一部を借りはしたが、決して彼がモデルではない。
(出典:三浦綾子『塩狩峠 道ありき』)
・恩義もあるし、同宗の誼よしみもあるし、などと口のなかで繰り返している。
(出典:吉川英治『三国志』)
類語
・善隣(ぜんりん)
意味:隣国または隣家と仲よくすること。また、その隣国・隣家。(出典:デジタル大辞泉)
・親睦(しんぼく)
意味:互いに親しみ合い、仲よくすること。(出典:デジタル大辞泉)
・親和(しんわ)
意味:互いになごやかに親しむこと。なじみ、仲よくなること。(出典:デジタル大辞泉)
・宥和(ゆうわ)
意味:対立する相手を寛大に扱って、仲よくすること。(出典:デジタル大辞泉)
誼の意味②「人と人、事柄と事柄とのつながり 」
「誼」の二つ目の意味は「人と人、事柄と事柄とのつながり 」です。
ビジネス等で新しい人脈を作り上げることを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・単純に李斎と誼よしみを得るために訪ねてきたようには到底、見えなかった。
(出典:小野不由美『十二国記 9 黄昏の岸 暁の天』)
・同業者の誼よしみにあんまり黙っていても悪いようなら議論のお相手もしよう。
(出典:永井荷風『妾宅』)
・いずれ、唐は日本と誼よしみを通じ、わが新羅を挟撃せんとはかるでしょう。
(出典:井沢元彦『日本史の叛逆者 私説・壬申の乱』)
類語
・縁故(えんこ)
意味:人と人との特別なかかわりあい。(出典:デジタル大辞泉)
・コネクション
意味: 関係。つながり。(出典:デジタル大辞泉)
・絆(きずな)
意味:人と人との断つことのできないつながり。離れがたい結びつき。(出典:デジタル大辞泉)
・ネットワーク
意味:個々の人のつながり。特に、情報の交換を行うグループ。(出典:デジタル大辞泉)