訴求
「訴求力を高める」などのように使う「訴求」という言葉。
「訴求」は、音読みで「そきゅう」と読みます。
「訴求」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「訴求」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
訴求の意味
「訴求」には次の二つの意味があります。
1 うったえて要求すること。
2 広告や宣伝を通じて、消費者の欲求に働きかけること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
訴求の意味①「うったえて要求すること。」
「訴求」の一つ目の意味は「うったえて要求すること。」です。
実際に言葉にしてうったえる場合だけでなく、無言でうったえかけるというニュアンスで使う場合もあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・怯えた目の底にすがりつくような訴求がある。
(出典:森村誠一『野性の証明』)
・ラインハルトが列将を見わたすと、ナイトハルト・ミュラーの視線に訴求の意思を感知した。
(出典:田中芳樹『銀河英雄伝説 10 落日篇』)
・熱に浮かされたような若者の目には、両親の訴求が入らなかった。
(出典:森村誠一『ミッドウェイ』)
類語
・訴える(うったえる)
意味:他人の理解・同情・救いなどを強く期待して不満・不平・苦しみなどを言い知らせる。(出典:デジタル大辞泉)
・要求(ようきゅう)
意味:必要または当然なこととして相手に強く求めること。(出典:デジタル大辞泉)
・希望(きぼう)
意味:あることの実現をのぞみ願うこと。また、その願い。(出典:デジタル大辞泉)
・請う(こう)
意味:ある物を与えてくれるよう、またある事をしてくれるよう相手に求める。(出典:大辞林 第三版)
訴求の意味②「広告や宣伝を通じて、消費者の欲求に働きかけること。」
「訴求」の二つ目の意味は「広告や宣伝を通じて、消費者の欲求に働きかけること。」です。
商品の魅力をアピールしたり、セールスポイントを示したりして、買いたい気持ちにさせることをいいます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・商品としていささか訴求力が弱すぎます。
(出典:佐藤正明『陽はまた昇る 映像メディアの世紀』)
・基本料も安く、端末も安い商品で若者に訴求しようということになる。
(出典:松永真理『iモード事件』)
・むしろ、この商品の場合、説明書に同時にうたわれていたマッサージ効果のほうが、今の時代に合った訴求ポイントだと思う。
(出典:中村うさぎ『ショッピングの女王』)
・キャラメルのエキゾチズムにはつよい迫力と訴求力があった。
(出典:開高健『パニック・裸の王様』)
類語
・ピーアール
意味:広告。宣伝。(出典:デジタル大辞泉)
・宣伝(せんでん)
意味:商品の効能や主義・主張などに対する理解・賛同を求めて、広く伝え知らせること。(出典:デジタル大辞泉)
・売り込む(うりこむ)
意味:うまく宣伝したり、すすめたりして品物を売る。 (出典:大辞林 第三版)
・集客(しゅうきゃく)
意味:客を集めること。また、客が集まること。(出典:デジタル大辞泉)