訝る
「真意を訝る」などのように使う「訝る」という言葉。
「訝る」は、訓読みで「いぶかる」と読みます。
「訝る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「訝る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
訝るの意味
「訝る」には次の意味があります。
・ 疑わしく思う。怪しく思う。(出典:デジタル大辞泉)
ほかにも、はっきりしないため気がかりである、様子や事情がおかしいといった意味もあります。訝るは「訝しい」「訝しむ」「訝しげ」など、様々な形での使い方ができます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・案内の老人が、人を分けて金閣の前へいそぐ私の姿を訝いぶかかしそうに見た。
(出典:三島由紀夫『金閣寺』)
・あの時の、あの感動は一体何だったのだろうとぼくは自分で自分を訝いぶかった。
(出典:原田宗典『家族それはヘンテコなもの』)
・弁護士はその憎悪の裏に何があるのか知ることができるだろうかと訝いぶかった。
(出典:クリスティ/松本恵子訳『情婦…クリスティ短編集』)
・部屋に閉じこもっていて、ホテルの者に訝いぶかられるのを避けるためだった。
(出典:勝目梓『炎』)
・我々二人を、どういうか関係なのかと訝いぶかっているような節も見えた。
(出典:宮部みゆき『龍は眠る』)
類語
・嫌疑(けんぎ)
意味:疑わしいこと。特に、犯罪の事実があるのではないかという疑い。(出典:デジタル大辞泉)
・不審(ふしん)
意味:疑わしく思うこと。疑惑をさしはさむこと。いぶかしいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・疑る(うたぐる)
意味:怪しいと思う。(出典:デジタル大辞泉)
・怪しむ(あやしむ)
意味:変だと思う。疑わしく思う。(出典:デジタル大辞泉)
・胡散臭い(うさんくさい)
意味:どことなく怪しい。(出典:デジタル大辞泉)