訓読み
「漢字を訓読みする」などのように使う「訓読み」という言葉。
「訓読み」は、音読みで「くんよみ」と読みます。
「訓読み」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「訓読み」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
訓読みの意味
「訓読み」には次の意味があります。
・一字一字の漢字について、その意味にあたる大和詞(やまとことば)で読むこと。(出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))
中国から伝わった漢字に日本語の読み方をあてて読むことが「訓読み」であり、わかりやすく言えば「読みを聞いて意味がわかるのが訓読み」です。
たとえば「山」を「やま」、「川」を「かわ」と読むことです。
逆に、読みを聞いただけでは意味がわからないのが音読みで、たとえば「山」を「さん」、「川」を「せん」と読むことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・やっかいなのは、漢字の訓読みではないかな。
(出典:星新一『あれこれ好奇心』)
・そういえば、現在でも法律用語にはほとんど訓読みはないね。
(出典:藤村由加『人麻呂の暗号』)
・古代は地名がそのまま人名であったり、人名が地名である場合がほとんどであるから、はじめから「クマのオオヌシ」と訓読みしておけば混乱が起きないでよかったろうにと思う。
(出典:宮崎康平『まぼろしの邪馬台国』)
・ 最初にまず音読みで、そのあと訓読みで読誦するというふうであった。
(出典:宮元啓一『日本奇僧伝』)
・国語の先生は、漢字の音訓読みを子供に教えることによって、脳から言えばマンガ読みの訓練をしている。
(出典:養老孟司『涼しい脳味噌』)
類語
・和訓(わくん)
意味:漢字・漢語の持っている意味に当てた、やまとことばによるよみ。読み。国訓。訓。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・字訓(じくん)
意味:漢字の日本語としての読み。その字の意味にあたる日本語が読み方として固定したもの。(出典:デジタル大辞泉)
・訓読(くんどく)
意味:漢字を、その意味にあたる日本語の読み方で読むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・重箱読み(じゅうばこよみ)
意味:(「じゅう」は「重」を音読みにしたもの、「はこ」は「箱」を訓読みにしたものであるところから)「重箱」のように、漢字二字から成る熟語を上の字は音で下の字は訓でよむこと。また、そのような読み方。(出典:大辞林 第三版)
・湯桶読み(ゆとうよみ)
意味:(「ゆ」は「湯」を訓読みにしたもの、「とう」は「桶」を音読みにしたものであるところから)「湯桶」のように、漢字二字でできている熟語の上の字を訓で読み、下の字を音で読むこと。また、そういう読み方。(出典:大辞林 第三版)