荒野
「荒野を行く」などのように使う「荒野」という言葉。
「荒野」は、音読みで「こうや」と読みます。
「荒野」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「荒野」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
荒野の意味
「荒野」には次の二つの意味があります。
1 あれはてた野原。あれの。あらの。
2 開発されていない土地。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
荒野の意味①「あれはてた野原。あれの。あらの。」
「荒野」の一つ目の意味は「あれはてた野原。あれの。あらの。」です。
「荒野」をわかりやすく言うと「自然のものとして荒れている野原や原野」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この野生の荒野に上陸して以来、今ほど安全だと感じたことはなかった。
(出典:R・E・ハワード『大帝王コナン』)
・丘の上で彼には手に入れることを許されなかったものが、荒野にはあった。
(出典:小野不由美『屍鬼(下)』)
・校舎の中にはいくらでもあった遮蔽物も、一面の荒野には存在しない。
(出典:事務狂『fate/stay night 月姫 (TYPE-MOONクロスオーバーの最高峰、文庫5~6巻のボリューム)』)
・絵のほうはまあまあで、たとえば荒野の風景といったようなものです。
(出典:カフカ/飯吉光夫訳『審判』)
類語
・荒れ野(あれの)
意味:荒れ果てた野。(出典:デジタル大辞泉)
・荒原(こうげん)
意味:荒れ果てた野原(出典:精選版 日本国語大辞典)
・焼け野原(やけのはら)
意味:一面に焼けて荒れはてた地域。(出典:デジタル大辞泉)
・焦土(しょうど)
意味:家屋・草木などが焼けて跡形もない土地(出典:デジタル大辞泉)
荒野の意味②「開発されていない土地。」
「荒野」の二つ目の意味は「開発されていない土地。」です。
直接的な意味としては、開発されていない土地のことですが、そういった意味も含めて、荒涼として何もない状態や困難な心象風景を表すこともあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私は暗い荒野のうちにぽつりと置かれた自分の魂を見るような気がした。
(出典:豊島与志雄『運命のままに』)
・あるとき、やつは自分の霊を見つけるために荒野へ出かけたんだそうだ。
(出典:スタインベック/大久保康雄訳『怒りの葡萄』)
・それらは荒野に自分の生命を守る時に必要欠くべからざるものばかりだ
(出典:五木寛之『風に吹かれて』)
・絶望だけが広がる荒野を歩き通すという決意を抱いていることを知っている。
(出典:大石圭『自由殺人』)
類語
・苦戦(くせん)
意味:物事をなしとげるために苦しみながら努力すること。(出典:デジタル大辞泉)
・苦境(くきょう)
意味:苦しい境遇。苦しい立場。(出典:デジタル大辞泉)
・辛苦(しんく)
意味:つらく苦しい思いをすること。また、その苦しみ。(出典:デジタル大辞泉)
・受難(じゅなん)
意味:苦難・災難を受けること。(出典:デジタル大辞泉)