茫然自失
「彼女に振られて茫然自失となる」などのように使う「茫然自失」という言葉。
「茫然自失」は、音読みで「ぼうぜんじじつ」と読みます。
「茫然自失」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「茫然自失」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
茫然自失の意味
「茫然自失」には次の意味があります。
・あっけにとられて、我を忘れてしまうさま。(出典:デジタル大辞泉)
気が抜けてぼんやりとするさまを表しています。
茫然はあっけにとられる、自失は我をわすれてしまう様子をそれぞれ意味しており、はじめて使われたのが1885年の植村正久が記した「福音導志流部」という一説があります。
茫然は呆然とも記せます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・茫然自失の状態になっていてさえ、彼は本当にはこれを信じなかった。
(出典:ニーヴン,パーネル『悪魔のハンマー〔上〕』)
・茫然自失の形で、私は、乗組の全員が帆をあげにかかるのを眺めていた。
(出典:ウェルズ/能島武文訳『モロー博士の島』)
・そこで私は、類のない、それ以上増しようのない茫然自失におちいった。
(出典:佐藤正彰訳『千一夜物語』)
・そして青い川波に眼をおとして茫然自失するような状態をつづけて行った。
(出典:室生犀星『津の国人』)
・茫然ぼうぜん自失とする表情で視線を一点に集中させている。
(出典:初野晴『水の時計』)
類語
・唖然(あぜん)
意味:思いがけない出来事に驚きあきれて声も出ないさま。あっけにとられるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・我を忘れる(われをわすれる)
意味:あることに夢中になって自分の存在を忘れる。また、他のことへの配慮をしなくなる。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・喪心(そうしん)
意味:魂が抜けたように、ぼんやりすること。放心。(出典:デジタル大辞泉)
・衝激(しょうげき)
意味:はげしくつきあたること。また、人の心にはげしい動揺を与えること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・上の空(うわのそら)
意味:他の事に心が奪われて、そのことに注意が向かないこと。また、そのさま。心が浮ついて落ち着かないさま。(出典:デジタル大辞泉)