花鳥風月
「かちょうふうげつ」と読みます。
「花鳥風月を愛する」といった形で使います。
自然や芸術、和風なイメージがある、「花鳥風月」とはどのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「花鳥風月」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
花鳥風月の意味
花鳥風月(かちょうふうげつ)には次の二つの意味があります。
1 自然の美しい風景。
2 自然を相手に詩・絵画などをつくる風雅な遊び。風流。(出典:大辞泉)
それぞれの意味と使い方については下記の通りです。
花鳥風月の意味①「自然の美しい風物」
花鳥風月の一つ目の意味は「自然の美しい風景」です。
「花鳥」は花と鳥を、「風月」は清らかな風と美しい月をそれぞれ意味し、美しい自然や風景を代表しています。
「花鳥風月を愛する」で「自然の美しい景色や動植物を好む」という意味になります。
使い方・例文
・試験中に堂々とよそ見ができるのだ、花鳥風月に目をやっても仕方がない。 (出典:米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』)
・でもあなたは何かの必然性なしに花鳥風月について電話で語るタイプじゃない。 (出典:村上春樹『1Q84 BOOK2』)
・花鳥風月をまねるのも風流だが、やはり一番味があるのは人間をまねることであろう。(出典:森見登美彦『有頂天家族』)
・柄は花鳥風月、もしくは松竹梅でもいいけれども、少し日本的なテイストが感じられるものです。(出典:藤原和博『自分「プレゼン」術』)
・花鳥風月のうち今夜は三つ揃っている。(出典:言乃葉『出席番号32番 衛宮』)
花鳥風月の意味②「自然を相手に詩・絵画などをつくる風雅な遊び」
花鳥風月の二つ目の意味は「自然を相手に詩・絵画などをつくる風雅な遊び」です。
自然鑑賞を楽しんだり、自然を相手に詩・絵画などをつくる風雅な遊びという意味として使われます。
「花鳥風月を趣味とする」で「自然鑑賞や自然を題材に詩や絵画を作ることが趣味である」という意味になります。
使い方・例文
・信長の平素には花鳥風月をたのしむ趣味はほとんどないのである。 (出典:司馬遼太郎『国盗り物語』)
・作者の西鶴が花鳥風月に反逆し、面白さの原点に戻ろうとした点にあるらしい。 (出典:星新一訳『竹取物語』)
・この物語のなかの人物は、男女ともまだ二十にもならぬ前から、花鳥風月のたしなみが豊かで、虫の声、木の葉のそよぎ、露の置きどころにも心を動かしているが、それとともに、ややもすると遁世を志している。(出典:正宗白鳥『軽井沢にて』)
・花鳥風月の遊びも、雪の野路の巡礼も、恋のなやみやうれしさも、みんな遠くにうたかたのように消えてしまった。(出典:倉田百三『出家とその弟子』)
・なぜなら通俗の見解は、しばしば詩人を以て花鳥風月の徒と解し、吾人を一種の風流扱いにするからだ。(出典:萩原朔太郎『詩の原理』)