膝
「膝に荷物を載せる」などのように使う「膝」という言葉。
「膝」は、訓読みで「ひざ」と読みます。
「膝」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「膝」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
膝の意味
「膝」には次の二つの意味があります。
1 ももとすねとの境の関節部の前面。ひざがしら。
2 座ったときの、ももの上側にあたる部分。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
膝の意味①「ももとすねとの境の関節部の前面。ひざがしら。」
「膝」の一つ目の意味は「ももとすねとの境の関節部の前面。ひざがしら。」です。
「膝蹴り」や「膝をすりむく」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのころの女の子は、膝から上はどんなことがあっても出さない。
(出典:小林一三『宝塚生い立ちの記』)
・主水は静かに床から出、お妻の方へ膝で進み、手を延ばして鼻へやった。
(出典:国枝史郎『剣侠』)
・仁右衛門はある日、膝まで這入る雪の中をこいで事務所に出かけて行った。
(出典:有島武郎『カインの末裔』)
・そしていつものとおり上品に、ちょっと畳の上に膝をついて挨拶あいさつした。
(出典:有島武郎『或る女』)
類語
・小膝(こひざ)
意味:ひざ。膝に関するちょっとした動作についていう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・膝頭(ひざがしら)
意味:膝の関節の前面。ひざこぞう。ひざこぶし。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・膝小僧(ひざこぞう)
意味:膝がしら。衣服などから現われ出た膝がしらを、擬人化していったもの。ひざぼうず。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・膝窩(しっか)
意味:ひざの後ろ側のくぼんだ部分。ひかがみ。膝膕(しっかく)。(出典:デジタル大辞泉)
膝の意味②「座ったときの、ももの上側にあたる部分。」
「膝」の二つ目の意味は「座ったときの、ももの上側にあたる部分。」です。
事実的には膝ではない、座った時のもも上部を指します。
「手は膝の上に置きましょう」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・外套が膝の上にのっていて、重ねた両手がさらにその上におかれている。
(出典:マン・パウル・トーマス『衣裳戸棚』)
・しかし、その猫は少女の膝の上に置かなければ答えを発せぬのである。
(出典:井上円了『迷信と宗教』)
・そして、手紙を持っている右の手は、静かに静かに膝の上へ垂れて行った。
(出典:モーパッサン・ギ・ド『初雪』)
・面は火のように、眼は耀くように見えながら涙はぽろりと膝に落ちたり。
(出典:幸田露伴『貧乏』)
類語
・膝まくら(ひざまくら)
意味:人の膝を枕にして横になること。(出典:デジタル大辞泉)
・脚(あし)
意味:ひざから下の足。転じて、足全体。(出典:デジタル大辞泉)
・足(あし)
意味:動物の、胴体から分かれ、からだを支えたり歩行に使ったりする部分。(出典:デジタル大辞泉)
・大腿(だいたい)
意味:股関節から膝までの間の部分。大腿骨が中軸をなし、よく発達した多数の筋肉がとりまく。上部は俗に「ふともも」という。もも。(出典:精選版 日本国語大辞典)