腑に落ちる
「腑に落ちる話」などのように使う「腑に落ちる」という言葉。
「腑に落ちる」は、訓読みで「ふにおちる」と読みます。
「腑に落ちる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「腑に落ちる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
腑に落ちるの意味
「腑に落ちる」には次の意味があります。
・納得できる。合点がいく。多く、下に否定の語を伴って用いる。(出典:精選版 日本大百科全書)
「腑に落ちる」は否定の言葉を伴うことが多いです。
「腑に落ちない」で「納得できない」という意味になります。
「腑」は「心の底」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それは、ただの推測に過ぎなかったが、比夏留には腑に落ちる話だった。
(出典:田中啓文『私立伝奇学園高等学校民俗学研究会その1 蓬來洞の研究』)
・この宿に腑に落ちるような人間なんか出入りするものかと言わんばかりに。
(出典:シムノン/水谷準訳『サン・フォリアン寺院の首吊り人』)
・私は腑に落ちないものを感じつつ、言われた通りにその事を考えてみた。
(出典:上遠野浩平『しずるさんと底無し密室たち』)
・私もいったんはそうかと思ったが、それにしては腑に落ちぬところがあった。
(出典:横溝正史『金田一耕助ファイル01 八つ墓村』)
・時々腑に落ちないところが出てくると、私は女に向って短かい質問をかけた。
(出典:夏目漱石『硝子戸の中』)
類語
・納得する(なっとくする)
意味:他人の考えや行動などを十分に理解して得心すること。(出典:デジタル大辞泉)
・理解する(りかいする)
意味:物事の道理や筋道が正しくわかること。(出典:デジタル大辞泉)
・得心する(とくしんする)
意味:よくわかって承知すること。納得すること。(出典:デジタル大辞泉)
・合点がいく(がてんがいく)
意味:物事の事情がよく理解できる。納得できる。(出典:精選版 日本大百科全書)