腐っても鯛
「腐っても鯛だなんて思ってしまう」などのように使う「腐っても鯛」という言葉。
「腐っても鯛」は、訓読みで「くさってもたい」と読みます。
「腐っても鯛」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「腐っても鯛」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
腐っても鯛の意味
「腐っても鯛」には次の意味があります。
・すぐれたものは、いたんでもそれなりの値打ちは保っているということのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
鯛は古くから最高級の魚とされ、福の神の恵比寿が抱えている絵に代表されるように、祝いものとしても重宝されている魚です。
身がしっかりしていて、鮮度が落ちても煮物などにするとおいしく食べられることから、このことわざが生まれたとされています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの病院にいる子供だって、そこは腐っても鯛。
(出典:西風隆介『神の系譜V 竜の時間 亡国』)
・腐っても鯛という諺はあるが、いかになんでもあゆである。
(出典:北大路魯山人『インチキ鮎』)
・三遊派という腐っても鯛の大きな大きな屋体骨を背負って立つには、あまりにも自分というものが非力過ぎた、貧弱過ぎた。
(出典:正岡容『小説 円朝』)
・それでも、「腐っても鯛、落ちぶれてもボリショイ」という未練のようなものがまだあって、足を運んでしまった。
(出典:米原万里『ガセネッタ&シモネッタ』)
・さすが腐っても鯛、出遅れてもホームズである。
(出典:鳥飼否宇『中空』)
類語
・痩せても枯れても(やせてもかれても)
意味:どんなに落ちぶれようとも。いかに衰えても。(出典:デジタル大辞泉)
・古川に水絶えず(ふるかわにみずたえず)
意味:基礎のしっかりしているものは、衰えたように見えても容易にほろびない(出典:精選版 日本国語大辞典)
・健在(けんざい)
意味:それまでと変わりなく、十分に能力を発揮していること。(出典:デジタル大辞泉)
・矍鑠(かくしゃく)
意味:老年になっても、心身ともに元気のいいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・不磨(ふま)
意味:すりへらないこと。ながく価値を保つこと。不朽。(出典:デジタル大辞泉)