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胸突き八丁とは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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胸突き八丁

「ここからが胸突き八丁だ」などのように使う「胸突き八丁」という言葉。

「胸突き八丁」は、「むなつきはっちょう」と読みます。「胸突八丁」とも表記されます。

「胸突き八丁」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「胸突き八丁」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。

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胸突き八丁の意味

「胸突き八丁」には次の二つの意味があります。

1 富士登山で頂上までの8丁(約872メートル)のけわしい道。転じて、急斜面の長い坂道。
2 物事を成し遂げる過程で、いちばん苦しい正念場。
(出典:デジタル大辞泉)

それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。

胸突き八丁の意味①「富士登山で頂上までの8丁(約872メートル)のけわしい道。転じて、急斜面の長い坂道。」

「胸突き八丁」の一つ目の意味は「富士登山で頂上までの8丁(約872メートル)のけわしい道。転じて、急斜面の長い坂道。」です。

言い換えると、胸を突かれたように、息ができなくなるほど苦しい険しい道、という意味です。
実際に、富士山の頂上までの8丁が非常に険しく、富士登山の最大の難所とされています。
そこから転じて、他の山についても険しい道のことを、こう表すようになったと言われています。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・いよいよ山巓に近く水が無いものとすれば、胸突き八丁を降って金性水まで汲みに行かねばならぬ。
(出典:押川春浪『本州横断 癇癪徒歩旅行』)

・残りは胸突き八丁だが、もう一と息の道程である。
(出典:三浦哲郎『愁月記』)

・この胸突き八丁のような急坂を見上げると、かつて鈴鹿峠が難所として恐れられていたことが実感できる。
(出典:内田康夫『斎王の葬列』)

・ザイテングラートの登りに取りかかると、まさに胸突き八丁となる。
(出典:森村誠一『棟居刑事の情熱』)

類語

急坂(きゅうはん)
意味:傾斜の急な坂。(出典:デジタル大辞泉)

山坂(やまさか/やまざか)
意味:山にある坂道。山の坂。(出典:精選版 日本国語大辞典)

険路/嶮路(けんろ)
意味:けわしい道。(出典:デジタル大辞泉)

岨道(そばみち)
意味:険しい山道。そばじ。(出典:デジタル大辞泉)

胸突き八丁の意味②「物事を成し遂げる過程で、いちばん苦しい正念場。」

「胸突き八丁」の二つ目の意味は「物事を成し遂げる過程で、いちばん苦しい正念場。」です。

①の意味から転じて、何かを行う過程の中で一番大事ながんばりどころ、踏ん張りどころを意味します。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・正直、ウチはいま胸突き八丁の場面だ。
(出典:池井戸潤『下町ロケット』)

・ここが胸突き八丁、意志を通さなければならない場所であるかのように。
(出典:西尾維新『物語シリーズ 4 偽物語(上)』)

・年末から年始にかけた時期に、翻訳と制作の胸突き八丁を迎えました。
(出典:富田倫生『本の未来』)

・「横井さんとは〝S〟の関係を含めて同病あいあわれむような仲ですが、胸突き八丁でいまがいちばん苦しいときですけど、頑張るしかないと思うんです」 口をつぐんで、下ばかり向いていた横井が面おもてを上げた。
(出典:高杉良『呪縛 金融腐蝕列島II(下)』)

類語

正念場/性念場(しょうねんば)
意味:最も肝心なところ。ここぞという大事の場面。しょうねば。(出典:精選版 日本国語大辞典)

此処一番(ここいちばん)
意味:ここで勝たなければなにもならない、という勝負どころ。最高にがんばるべきところ。(出典:デジタル大辞泉)

勝負所(しょうぶどころ)
意味:勝ち負けの決まる大事な場面・局面。(出典:デジタル大辞泉)

山場(やまば)
意味:物事の最も盛んな時や所。また、物事の最も重要な場面。クライマックス。(出典:精選版 日本国語大辞典)

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