耽美
「耽美な雰囲気」などのように使う「耽美」という言葉。
「耽美」は、音読みで「たんび」と読みます。
「耽美」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「耽美」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
耽美の意味
「耽美」には次の意味があります。
・美を最も価値のあるものと考え、美を求め、熱中すること。(出典:大辞林 第三版)
「耽美」とは、「美がいちばん優れたもので最高の価値を持つと考え、ひたすら美にふけること」を意味します。
「耽」は、訓読みで「耽る(ふける)」と読み、「夢中になる」という意味を持ちます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・けれど、真の耽美主義者・美をきわめんとする先端の人々の多くは男性である。
(出典:柴門ふみ『とっても、愛ブーム』)
・未解決の殺人事件ほど神秘的で戦慄的で、また或る意味で耽美的なものがあろうか。
(出典:松本清張『黒の回廊』)
・彼等の病的な耽美主義は、その背景に恐る可き冷酷な心を控へてゐる。
(出典:芥川竜之介『あの頃の自分の事』)
・悟空の耽美の心の最後の形式ですら、王の指先にすら及んでゐなかつたのである。
(出典:牧野信一『闘戦勝仏』)
・私の耽美な雰囲気を最大限に引 き出す服装だというのに!
(出典:奈須きのこ『歌月十夜 30 盛夏祭宴』)
類語
・甘美(かんび)
意味:心地よくうっとりとした気持ちにさせること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・唯美(ゆいび)
意味:美に最高の価値を認めること。(出典:大辞林 第三版)
・審美(しんび)
意味:自然や美術などのもつ本当の美しさを的確に見極めること。また、美の本質・現象を研究すること。(出典:デジタル大辞泉)
・耽溺(たんでき)
意味:一つのことに夢中になって、他を顧みないこと。多く不健全な遊びにおぼれることにいう。(出典:デジタル大辞泉)
・耽る(ふける)
意味:ある一つの事に夢中になる。熱中する。 (出典:大辞林 第三版)