緩徐
「緩徐楽章」などのように使う「緩徐」という言葉。
「緩徐」は、音読みで「かんじょ」と読みます。
「緩徐」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「緩徐」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
緩徐の意味
「緩徐」には次の意味があります。
・ ゆるやかで静かなさま。動作などがゆっくりしているさま。(出典:デジタル大辞泉)
動作が非常にゆるやかで、静かな様子を表す言葉です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・恐らくまた、それらは永劫の時とともに緩徐に弱体化していったのだろう。
(出典:ラヴクラフト・ハワード・フィリップス『時間からの影』)
・この宝庫が代々に持ち伝えられる間に次第に拡張されるにしてもそれはただ非常に緩徐にしか行われなかった。
(出典:寺田寅彦『宇宙の始まり』)
・数学者や物理学者にとっては速度は緩徐に対立するものではなく、熱は寒さに対立するものではない。
(出典:ワルラス・マリー・エスプリ・レオン『純粋経済学要論』)
・一見、緩徐にみえながら、大地にめりこむほどの穿孔力をもった扇の矢だ。
(出典:山田風太郎『忍法帖3 伊賀忍法帖』)
・第八番では第三楽章がメヌエットだけれども、このほうが内容的には緩徐楽章です。
(出典:柴田南雄『クラシック名曲案内ベスト151』)
類語
・やおら
意味:静かに身を動かすさま(出典:精選版 日本国語大辞典)
・遅遅(ちち)
意味:物事の進み方がおそく、ゆったりしているさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ゆったり
意味:落ち着いてのんびりしているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・スロー
意味:速度が遅いさま。(出典:デジタル大辞泉)
・遅緩(ちかん)
意味:ゆっくりしていること。(出典:デジタル大辞泉)