粉骨砕身
「粉骨砕身して貢献する」などのように使う「粉骨砕身」という言葉。
「粉骨砕身」は、音読みで「ふんこつさいしん」と読みます。
「粉骨砕身」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「粉骨砕身」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
粉骨砕身の意味
「粉骨砕身」には次の意味があります。
・力の限り懸命に働くこと。(出典:デジタル大辞泉)
「粉骨砕身」はもともと仏教用語です。
古代中国の「禅林類纂(ぜんりんるいさん)」という書物に、「粉骨砕身するも、此(こ)の徳に報(むく)い難(がた)し」(力の限り尽くしても、仏恩に報いるのは難しい)と記されており、これが由来とされています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・むしろここで彼女のために粉骨砕身して貸しをつくっておいたほうがよい。
(出典:森村誠一『新幹線殺人事件』)
・ずいぶん古くから、動坂さんのために粉骨砕身して仕えています。
(出典:海野十三『深夜の市長』)
・他人のために粉骨砕身努力する男です。
(出典:シムノン/長島良三訳『メグレ氏ニューヨークへ行く』)
・ ここの案内者は活動屋のように進んで国辱を見せようと粉骨砕身する奇怪な風格はないから、つまり七万坪の隅から隅まで御自慢のものである。
(出典:坂口安吾『安吾の新日本地理』)
・粉骨砕身すると誓うことが、そもそも怪しい、卑怯ないい逃れに過ぎないと見抜かれてしまうのだ。
(出典:武田泰淳『快楽』)
類語
・粉骨(ふんこつ)
意味:力の限り努力すること。(出典:デジタル大辞泉)
・尽力(じんりょく)
意味:ある目的の実現のために、力を尽くすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・注力(ちゅうりょく)
意味:ある事に力を入れること。力を 尽くすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・身を粉にする(みをこにする)
意味:労力を惜しまず一心に仕事をする。(出典:デジタル大辞泉)
・身を削る(みをけずる)
意味:大変な苦労をしたり、ひどく心を痛めたりする。骨身を削る。(出典:デジタル大辞泉)