確信犯
「あいつは確信犯だ」などのように使う「確信犯」という言葉。
「確信犯」は、音読みで「かくしんはん」と読みます。
「確信犯」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「確信犯」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
確信犯の意味
「確信犯」には次の二つの意味があります。
1 道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪。
2 悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。また、その行為を行った人。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
確信犯の意味①「道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪。」
「確信犯」の一つ目の意味は「道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪。」です。
法律的に悪いことであっても、自分の信じているものに基づき正しいことだと考え実行される行為です。
本人に悪気はなく行われた犯罪に対して使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こういうことは確信犯と法律との戦いなのだからもっとドライにやってよいのだ。
(出典:山下洋輔『ドバラダ門』)
・つまり最初から思想的な確信犯とみなされたものである。
(出典:大江志乃夫『凩の時』)
・あの事件を子供たちが確信犯的に起こしたのである以上、青木としては水原本人に身の振り方を考えて欲しかった。
(出典:貫井徳郎『天使の屍』)
・看守に雇われた農民は、これら確信犯のゆるぎない言動に打たれ、すぐにその職を離れた。
(出典:保阪正康『東條英機と天皇の時代(上) 軍内抗争から開戦前夜まで』)
類語
・思想犯(しそうはん)
意味:国家体制に相反する思想に基づく犯罪。(出典:デジタル大辞泉)
・政治犯(せいじはん)
意味:政治的動機によってなされた犯罪。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・国事犯(こくじはん)
意味:国の政治上の秩序を侵害する犯罪。(出典:デジタル大辞泉)
確信犯の意味②「悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。」
「確信犯」の二つ目の意味は「悪いことだとわかっていながら行われた犯罪や行為。また、その行為を行った人。」です。
本来の意味は「悪いことだと思わずに行う」ことを指しますが、現代では「悪いことだとわかっていて行う」という意味で使われることもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いざとなれば携帯があるからと、確信犯的に遅れてくるヤツはもっと嫌いだ。
(出典:中野順一『セカンド・サイト』)
・武上は、部下のミスを許さない上司ではないが、確信犯的な裏切りを許す指導者ではない。
(出典:宮部みゆき『模倣犯 下』)
・私はS子さんのブラの紐は、確信犯だと思ってたよ。
(出典:中村うさぎ『壊れたおねえさんは、好きですか?』)
・両手を合わせて申し訳なさそうにしている仕草とは裏腹に、台詞を聞いてると思いっきり確信犯だった。
(出典:久弥直樹『if』)
類語
・意図的(いとてき)
意味:ある目的を持って、わざとそうするさま。(出典:デジタル大辞泉)
・故意犯(こいはん)
意味:故意になされる犯罪。(出典:大辞林 第三版)
・殊更(ことさら)
意味:考えがあってわざとすること。(出典:デジタル大辞泉)
・作為的(さくいてき)
意味:故意に行うさま。(出典:デジタル大辞泉)