硬直
「硬直した顔」などのように使う「硬直」という言葉。
「硬直」は、音読みで「こうちょく」と読みます。
「硬直」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「硬直」の多く使われる二つの意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
硬直の意味
「硬直」には次の二つの意味があります。
1 かたくぴんと張っていること。こわばっていること。また、そのさま。
2筋肉が持続的に収縮し、かたくなること。また、その状態。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
硬直の意味①「かたくぴんと張っていること。こわばっていること。また、そのさま。」
「硬直」の一つ目の意味は「かたくぴんと張っていること。こわばっていること。また、そのさま。」です。
状態や心情に対して使用します。外部の意見や状況に影響されない、頑固なイメージの表現です。また約束事で間違いの無いことを強調する表現でもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・役所とか公文書というものの硬直性は分かるがなんとかならないものか。
(出典:山下洋輔『ドバラダ門』)
・夢想していたようなこの出会いに、一弥はびっくりして思わず硬直した。
(出典:桜庭一樹『GOSICKs 第1巻』)
・古い伝統があるということは、その分、どこかで硬直があるということだ。
(出典:井上祐美子『五王戦国志8 天壌篇』)
・私は叔父のその態度に突然硬直するほどの立腹を覚えたことも忘れられない。
(出典:坂口安吾『狼園』)
類語
・堅硬(けんこう)
意味:かたいこと。しっかりしていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・生硬(せいこう)
意味:態度・表現などが、未熟でかたい感じがすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・こちこち
意味:頑固で融通のきかないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・剛性(ごうせい)
意味:圧縮・ずれ・ねじれなどの外力に対する、物体の変形しにくい性質。(出典:デジタル大辞泉)
硬直の意味②「筋肉が持続的に収縮し、かたくなること。また、その状態。」
「硬直」の二つ目の意味は「筋肉が持続的に収縮し、かたくなること。また、その状態。」です。
主に身体の状態をさします。筋肉や姿勢などの見た目や触れた感覚で体が硬く動きにくい状態にあることを言います。死体の状況や緊張が高ぶりすぎている場合などに見られる体の融通の悪さなどです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・否や、彼女の全身は硬直して、激しく抵抗し、彼女は体を捻って逃げた。
(出典:カヴァン『氷』)
・まるでこの世のものとは思えぬほど、硬直した姿勢をとりつづけている。
(出典:C・L・ムーア『N・W・スミス&ジレル・シリーズ(全4巻) 処女戦士ジレル 暗黒神のくちづけ』)
・ドアが開いて中へ踏みこもうとした女が痙攣するように震えて硬直した。
(出典:小野不由美『十二国記 1 月の影 影の海(上)』)
・そして本で読んだ死後の硬直状態になっているのかもしれない、と思ったからです。
(出典:江戸川乱歩『妖怪博士』)
類語
・ハード
意味:堅いこと、堅牢なことを表わす語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・かちんかちん
意味: 緊張や恐怖で体がこわばっているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・がちがち
意味: 極度の緊張や恐怖で、体や筋肉がこわばるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・硬化(こうか)
意味:物がかたくなること。(出典:デジタル大辞泉)