砂上の楼閣
「砂上の楼閣のように思える」などのように使う「砂上の楼閣」という言葉。
「砂上の楼閣」は、音読みで「さじょうのろうかく」と読みます。
「砂上の楼閣」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「砂上の楼閣」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
砂上の楼閣の意味
「砂上の楼閣」には次の意味があります。
・見かけはりっぱであるが、基礎がしっかりしていないために長く維持できない物事のたとえ。また、実現不可能なことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
イエスキリストが自身の話を聞こうとしない人々に対して「砂の上に自分の家を建てた愚かな人」と例えたことが由来とされています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・積み上げても積み上げても、結局は崩れてしまう砂上の楼閣のような思考だ。
(出典:貫井徳郎『天使の屍』)
・僕の頭に描き出された空想の、砂上の楼閣かも知れません。
(出典:高木彬光『首を買う女』)
・中国経営の大業が、砂上の楼閣であってはならぬ。
(出典:吉川英治『黒田如水』)
・砂上の楼閣のように不安定なものにならざるを得ないのではないだろうか。
(出典:貴志祐介『新世界より』)
・もしそうでなければ今まで述べられたことは一つの砂上の楼閣であったかも知れない。
(出典:戸坂潤『科学方法論』)
類語
・机上の空論(きじょうのくうろん)
意味:頭の中だけで考え出した、実際には役に立たない理論や考え。(出典:デジタル大辞泉)
・絵に描いた餅(えにかいたもち)
意味:何の役にも立たないもの。また、実物・本物でなければ何の値打ちもないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・素引きの精兵(すびきのせいびょう)
意味:理論には強いが、実戦には役に立たない者。(出典:デジタル大辞泉)
・空理空論(くうりくうろん)
意味:現実から遠く離れた、実際の役に立たない議論や理論。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・夢物語(ゆめものがたり)
意味:夢のような、現実的でない話。(出典:デジタル大辞泉)