知育
「知育玩具」などのように使う「知育」という言葉。
「知育」は、音読みで「ちいく」と読みます。
「知育」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「知育」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
知育の意味
「知育」には次の意味があります。
・知的な能力を育てる教育を意味する。普通は、徳育、体育、美育と並んで、教育の全体のなかの一側面と考えられる。他の側面と区別するために便宜的に分けたもので、本来他の側面と調和し結合されねばならない。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
子供への教育の一側面です。近年は、遊びの中で知育を図ろうとする「知育玩具」と呼ばれるものが、小さな子供に与えるものとして人気となっています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・めぐみとしては徳育のことを言ったのに、夫の答えは知育のほうへ変わっている。
(出典:阿刀田高『空想列車(上)』)
・あれは知育教材とかいうやつで、緑や赤や黄色の玉や立方体や円柱の形をヒモに通して。
(出典:大野木寛『ラーゼフォン第3巻』)
・そこで体育の価値が新しく再評価されてくるようになり、学問ばかりが教育の内容ではなく、体育と徳育とが知育に並べられることに決定された。
(出典:戸坂潤『思想と風俗』)
・こういう点でわれわれにもっと多くの真の知恵があれば、すでに多くのことを身につけているのだから教育はもっと少なくてすむだろうし、知育を受けるための金銭上の費用も大半は不要になると思わざるをえない。
(出典:ソロー/神原栄一訳『森の生活』)
・知育を拒むことと学術の奨励との明白な矛盾をついたものだ。
(出典:戸坂潤『現代日本の思想対立』)
類語
・体育(たいいく)
意味:身体運動を通して行われる教育をいう。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・徳育(とくいく)
意味:人間の道徳的な心情や行為に関する特性を育てる教育を意味する。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・美育(びいく)
意味:芸術的教育の総称。美の鑑賞と創造を通して、望ましい人間形成をはかるための教育。知育、徳育とともに教育上の重要な内容を形成する領域。美的教育。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・文教(ぶんきょう)
意味:学問、教育によって教化すること。教育。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・訓育(くんいく)
意味:感情・意志・行為などに働きかけながら人格の形成を目ざす教育作用の一側面。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))