病み付き
「韓国料理に病み付きになった」などのように使う「病み付き」という言葉。
「病み付き」は、訓読みで「やみつき」と読みます。
「病み付き」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「病み付き」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
病み付きの意味
「病み付き」には次の二つの意味があります。
1 病気にかかること。また、病気のかかりはじめ。
2 趣味や勝負事に熱中してやめられなくなること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
病み付きの意味①「 病気にかかること。また、病気のかかりはじめ。 」
「病み付き」の一つ目の意味は「 病気にかかること。また、病気のかかりはじめ。」です。
病気にかかってしまうことを表すので、「病み付く」とも言います。
具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この春祖母が病付いてからは、それでも足らぬ。
(出典:石川啄木『鳥影』)
・その若者が一人、山で病付やみついて来て医師いしやにかかると、赤痢だと言ふので、隔離病舎に収容された。
(出典:石川啄木『赤痢』)
・その日より他馬皆鳴かぬから病み付いた事と思いおった。
(出典:南方熊楠『十二支考』)
・天南の家出から落膽して病み付き、藥も碌に服まずに死んだ坊守房子の一週忌が、もう間もなくやつて來ると言つて、老僧は鼻を詰まらせてゐた。
(出典:上司小剣『ごりがん』)
類語
・患い付く(わずらいつく)
意味:病気になる。病みつく。(出典:デジタル大辞泉)
・罹病(りびょう)
意味:病気にかかること。または、病的状態。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・罹る(かかる)
意味:病気などにあう。(出典:デジタル大辞泉)
・発病(はつびょう)
意味:病気がおこること。病気になること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
病み付きの意味②「趣味や勝負事に熱中してやめられなくなること。」
「病み付き」の二つ目の意味は「趣味や勝負事に熱中してやめられなくなること。」です。
この意味で使っている人が多いと思います。あることを好きになりやめられなくなってしまうこともいます。
具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一度ああいうものに手を出すとそれが病やみ付きとなって、止められなくなるもんなんでしょうね。
(出典:大倉燁子『むかでの跫音』)
・バンコクから帰って来て、本当に病み付きになってしまったのかも知れない、タイ料理に。
(出典:田中康夫『昔みたい』)
・ 南国の海の底を見たのが病み付きとなり、今年の夏はシシリー島の海底を散歩して来たというほど、水底の神秘に取り憑つかれている。
(出典:泡坂妻夫『亜愛一郎の逃亡 (亜愛一郎シリーズ3)』)
・宇津木先生がアメリカで病み付きになった道楽。
(出典:佐竹一彦『警視庁公安部』)
類語
・虜(とりこ)
意味:あることに心を奪われること。(出典:デジタル大辞泉)
・夢中(むちゅう)
意味:物事に心を集中すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・中毒(ちゅうどく)
意味:あるものへの依存が強く、ちょっとでも不足すると非常に強い飢餓感をもつこと。(出典:デジタル大辞泉)
・沼(ぬま)
意味:趣味などに夢中になることを表す言葉。(出典:デジタル大辞泉)