生殺与奪
「生殺与奪の権」などのように使う「生殺与奪」という言葉。
「生殺与奪」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「生殺与奪」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
生殺与奪の読み方
「生殺与奪」は、正式には「せいさつよだつ」と読みます。
ただし、「せいさいよだつ」という読み方も慣用読みとして認められているので、どちらの読み方も誤読ではありません。
「慣用読み」とは、正式な読み方ではないが、広く一般に浸透している読み方のことです。
生殺与奪の意味
「生殺与奪」には次の意味があります。
・生かすも殺すも、与えることも奪うことも自分の思うままになること。(出典:デジタル大辞泉)
相手を生かすも殺すも、与えるも奪うも、どのようにでも自分の思い通りになることを意味します。
よく使われる慣用句の「生殺与奪の権」をわかりやすく言えば「絶対的な権力」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・生殺与奪というものが、この家の主人にある。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・どこの誰とも知らぬ男に、自分の生殺与奪がゆだねられているのだと思うと、とても耐えきれない気がしたのだ。
(出典:山田正紀『氷河民族(流氷民族)』)
・私が動けなくなったら、生殺与奪の権は、もっぱらこの敵の手中にある。
(出典:養老孟司『涼しい脳味噌』)
・私はあの人に対する、生殺与奪の権を握ってしまったのです。
(出典:高木彬光『妖術師』)
・なにしろ大名の生殺与奪を握っている相手だから、左内がこういったのは当然だ。
(出典:山田風太郎『叛旗兵』)
類語
・活殺(かっさつ)
意味:生かすことと殺すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・操縦(そうじゅう)
意味:人を思い通りに操ること。(出典:デジタル大辞泉)
・活殺自在(かっさつじざい)
意味:生かすも殺すも思いのままであること。相手を思うままに扱うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・七縦七擒(しちちょうしちきん)
意味:相手を自分の思いどおりに自由自在にあしらうこと。(出典:大辞林 第三版)
・手玉に取る(てだまにとる)
意味:手玉をもてあそぶように、人を思いどおりにあやつる。(出典:デジタル大辞泉)