生成り
「こちらの洋服は生成り生地を使用しています」などのように使う「生成り」という言葉。
「生成り」は、訓読みで「きなり」と読みます。
「生成り」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「生成り」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
生成りの意味
「生成り」には次の意味があります。
・染色あるいは漂白される前の,天然繊維の色。未ざらしの麻の色で,ベージュ,オフホワイト,明るい黄褐色などがある。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
「生成り」をわかりやすく言うと、材料となる植物などの天然素材を、そのまま加工せずに作った生地という意味です。
色のばらつきや、植物の破片が混入している所が特徴です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・女の白い、生成りのシャツの襟の中に、青緑色のトルコ石が見えていた。
(出典:夢枕獏『神々の山嶺 上』)
・それは一人暮らしの時から真由美が使っていた生成り色のものだ。
(出典:林真理子『美食倶楽部』)
・私もその影響でとは思いたくないが、前の家では、ベージュに限りなく近い生成りであった。
(出典:岸本葉子『マンション買って部屋づくり』)
・ズボンも上と同じ素材で、こちらは生成りと思しきクリーム色だった。
(出典:九里史生『SAO-Web-0401-第一章~第三章』)
・洗い物をする手を一瞬止めて、竜児は背後に寝そべっている生成り色の塊に鋭すぎる視線をやった。
(出典:竹宮ゆゆこ『とらドラ! 第2巻』)
類語
・未熟 (みじゅく)
意味:果実・作物などがまだ熟していないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・生熟れ (なまなれ)
意味:十分に熟達していないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・オフホワイト
意味:白に近いが白でない色をいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・未晒 (みさらし)
意味:まださらしてないこと。また、そのもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・未完成 (みかんせい)
意味:まだ完成していないこと。(出典:デジタル大辞泉)