狸寝入り
「狸寝入りをして誤魔化す」などのように使う「狸寝入り」という言葉。
「狸寝入り」は、訓読みで「たぬきねいり」と読みます。
「狸寝入り」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「狸寝入り」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
狸寝入りの意味
「狸寝入り」には次の意味があります。
・眠っているふりをすること。空寝。(出典:デジタル大辞泉)
実際は寝ていないのに寝ているふりをすることを指します。
古典落語の演目のひとつでもあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・僕は苦しい狸寝入りを続けて、やがて呼び起されるまでじっとしていた。
(出典:豊島与志雄『女と帽子』)
・ことによると最初から狸寝入りをして見ていたのかもしれない。
(出典:林不忘『つづれ烏羽玉』)
・私があわてて狸寝入りをしてみせたことはいうまでもない。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル1] 横溝正史 「八つ墓村」』)
・誰も彼も疲れて眠りについてしまったが、どうやら一頭だけは狸寝入りをしていたようである。
(出典:竹内久美子『そんなバカな! 遺伝子と神について』)
・丸窓から入ると、主人はお仲が来たと思い込んで狸寝入かなんかやっていたんだろう。
(出典:野村胡堂『銭形平次捕物控』)
類語
・嘘寝(うそね)
意味:眠ったふりをすること。そらね。たぬきねいり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・空寝(そらね)
意味:寝ているさまをよそおうこと。空臥。眠ったふりをすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・はったり
意味:相手を威圧するために、大げさな言動をしたり強気な態度をとったりすること。また、その言動。(出典:デジタル大辞泉)
・聞き耳を立てる(ききみみをたてる)
意味:注意を集中してよく聞こうとする。耳を澄ます。(出典:デジタル大辞泉)
・安芝居(やすしばい)
意味:料金の安い芝居。特に、夏の間、一流の役者が出ない芝居をいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)