煎餅
「煎餅をかじる」などのように使う「煎餅」という言葉。
「煎餅」は、音読みで「せんべい」と読みます。
「煎餅」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「煎餅」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
煎餅の意味
「煎餅」には次の意味があります。
・干菓子の一。小麦粉に卵・砂糖・水などを加えて溶いて焼いた瓦煎餅の類と、米の粉をこねて薄くのばし、醤油や塩で味つけして焼いた塩煎餅の類とがある。(出典:デジタル大辞泉)
魚やエビなどに味付けし、平たい形にした菓子も煎餅と呼ばれることがあります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・池にはもう鯉が出てると見えて、麩や煎餅を投げてやってる娘達もあった。
(出典:豊島与志雄『同胞』)
・煎餅を冷蔵庫に入れておくと湿気らない、と聞いたことがあるような。
(出典:米澤穂信『小市民シリーズ1 春期限定いちごタルト事件』)
・もうひと口、もうひと口と、二人は顔を見合わせながら煎餅を食べた。
(出典:三浦綾子『続泥流地帯 草のうた』)
・煎餅がうまい、という人もいれば、ポテトチップに限るという人もいる。
(出典:北村薫『覆面作家は二人いる』)
・父親の代からお上の御用聞きをつとめ、母親は煎餅屋をやっている。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 4 山茶花(さざんか)は見た』)
類語
・干菓子(ひがし)
意味:粉や砂糖を固めて作った、水分の少ない菓子。落雁・金平糖・せんべいなど。(出典:デジタル大辞泉)
・うるち米(うるちまい)
意味:日本で炊飯して常食されるコメ。もち米に対していう。(出典:栄養・生化学辞典)
・草加煎餅(そうかせんべい)
意味:埼玉県草加市名物の塩煎餅。紀州(和歌山県)の浜口儀兵衛が、1645年(正保2)に銚子(ちょうし)(千葉県)でしょうゆ製造を始めてから、塩煎餅に生(き)じょうゆを刷(は)くようになり、その焼き上がりは香ばしいものになった。幕末には江戸市中でもはやりの菓子だったことが『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』にみえるが、駄菓子である点に変わりはなかった。江戸近郊の塩煎餅屋のうち、奥州街道の宿場であった草加が高名になり、今日では草加煎餅が塩煎餅の代名詞となっている。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・唐菓子(とうがし)
意味:奈良時代に仏教とともに日本に伝えられた穀粉製の菓子。糯米(もちごめ)、粳米(うるちまい)、麦、大豆、小豆(あずき)などの粉に甘味料の甘葛煎(あまずらせん)や塩を加えて練り、丁子(ちょうじ)末や肉桂(にっけい)末などの薬用剤も入れて餅(もち)としたり、あるいはその餅をごま油で揚げてつくった。当時は果物を菓子と称していたので伝来の唐菓子は「唐果物(からくだもの)」とよばれた。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・餅(もち)
意味:通常は、糯米(もちごめ)を蒸し、搗(つ)きつぶして成形したものをいうが、米(粳(うるち))、アワなど、他の穀物を用いたもの、米粉をこねてつくるもの、葛(くず)粉などデンプンでつくるものも広く餅とよぶ。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))