無頼
「無頼の男」などのように使う「無頼」という言葉。
「無頼」は、音読みで「ぶらい」と読みます。
「無頼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「無頼」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
無頼の意味
「無頼」には次の二つの意味があります。
1 一定の職業を持たず、無法なことをすること。また、そのさまやその人。
2 酒や女遊びにふけること。放蕩(ほうとう)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
無頼の意味①「一定の職業を持たず、無法なことをすること。また、そのさまやその人。」
「無頼」の一つ目の意味は「一定の職業を持たず、無法なことをすること。また、そのさまやその人。」です。
よく使われる「無頼漢(ぶらいかん)」は、「やくざ」「ごろつき」「無法者」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・余所目には、小兵衛が無頼者の傍を擦りぬけたとしか見えなかったろう。
(出典:池波正太郎『剣客商売7隠れ蓑』)
・目的は、京都の町から無頼の徒を追放し、治安を回復することにある。
(出典:咲村観『上杉謙信地の巻』)
・見物は遠巻きにして、無頼浪人どもの無法な狼藉をながめているのみだ。
(出典:池波正太郎『夜明けの星』)
・世の中には、金さえ貰えばなんでもするという無頼の輩がうようよしておる。
(出典:藤水名子『浪漫’s 見参!桜子姫』)
類語
・不埒(ふらち)
意味:法にはずれていること。けしからぬこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・無法(むほう)
意味:法のないこと。法律があっても守られないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・不届(ふとどき)
意味:道や法にそむいた行ないをすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・アウトロー
意味:無法者。無頼漢。社会ののけもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
無頼の意味②「酒や女遊びにふけること。放蕩(ほうとう)。」
「無頼」の二つ目の意味は「酒や女遊びにふけること。放蕩(ほうとう)。」です。
「無頼な生活」とは、「酒や女、煙草にふけり、まともな仕事もせずに生活していること」を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・無頼な生活をしただけに予想もせぬところから債務が出てきて、夫人は丸太町の家だけ残したのが精一杯であった。
(出典:水上勉『雁の寺(全)』)
・以後数年間無頼な生活が続く。
(出典:高井有一『立原正秋』)
・俺はいかにも放蕩無頼で、じゅん子に求婚する資格はないかも知れん。
(出典:石川達三『充たされた生活』)
・彼がいかに乱淫無頼な男であるかは、次の一例でも分ろうと、書いているのだ。
(出典:吉川英治『私本太平記』)
類語
・放蕩(ほうとう)
意味:思うままに振る舞うこと。特に、酒や女遊びにふけること。 (出典:デジタル大辞泉)
・怠惰(たいだ)
意味:なまけてだらしないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・享楽的(きょうらくてき)
意味:快楽にふけるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・乱倫(らんりん)
意味:倫理にはずれた行いをすること。特に、男女関係の乱れていること。
(出典:デジタル大辞泉)