無造作
「無造作な髪型」などのように使う「無造作」という言葉。
「無造作」は、音読みで「むぞうさ」と読みます。
「無造作」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「無造作」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
無造作の意味
「無造作」には次の二つの意味があります。
1 たやすいこと。また、そのさま。
2 技巧をこらさないこと。念入りでないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
無造作の意味①「たやすいこと。また、そのさま。」
「無造作」の一つ目の意味は「たやすいこと。また、そのさま。」です。
同じ意味で「造作もない」と表現されることもあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それを肩に乗せたまま、少年は無造作に立ちあがってしまったのである。
(出典:夢枕獏『東天の獅子 第四巻 天の巻・嘉納流柔術』)
・そこで私は無造作にこれを十七字にするお手本をお見せしましょう。
(出典:高浜虚子『俳句の作りよう』)
・無造作なのか、熟考を重ねたのかは流麗の表情からはみてとれなかった。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録8 刃を砕く復讐者(上)』)
・でなければ、そんなに無造作に逃げられるものとお考えにはなりますまい。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 プライオリ学校』)
類語
・訳無(わけない)
意味:手間がかからない。たやすい。何でもない。簡単だ。「わけなく」の形で(出典:精選版 日本国語大辞典)
・楽々(らくらく)
意味:苦痛や負担を感じないでゆとりのあるさま。気楽なさま。(出典:デジタル大辞泉)
・事も無げ(こともなげ)
意味:事を事とも思わないさま。なんでもないかのように平然としているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・易易(いい、やすやす)
意味:何の困難もなくたやすいさま。(出典:デジタル大辞泉)
無造作の意味②「技巧をこらさないこと。念入りでないこと。また、そのさま。」
「無造作」の二つ目の意味は「技巧をこらさないこと。念入りでないこと。また、そのさま。」です。
たとえば「無造作な髪型」は「きちんとセットされていない髪型」という意味になります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼女は抜き取ったCDケースをそばの机へ無造作に置き再び棚を眺めた。
(出典:乙一『ZOO』)
・彼は胸のポケットから葉巻を一本とり出すと、無造作に端を噛みきった。
(出典:クイーン/田村隆一訳『最後の悲劇』)
・外出しないつもりでいる時は、いつも無造作な恰好をしているからです。
(出典:モーツァルト/服部龍太郎訳『モーツァルトの手紙』)
・一見すれば無造作に画いたやうであつて、その実極めて用意周到である。
(出典:正岡子規『病牀六尺』)
類語
・粗末(そまつ)
意味:作り方などが、大ざっぱなこと。品質などが上等でないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・無作法(ぶさほう)
意味:礼儀作法にはずれていること。また、そのさま。ぶしつけ。(出典:デジタル大辞泉)
・雑駁(ざっぱく)
意味:粗く、雑然としていて、まとまりがないこと。また、そのさま。ごたまぜ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・乱雑(らんざつ)
意味:乱れて秩序のないこと。乱れていりまじること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)