灯台下暗し
「全然気づかなかった、灯台下暗しだね」などのように使う「灯台下暗し」という言葉。
「灯台下暗し」は、「とうだいもとくらし」と読みます。
「灯台下暗し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「灯台下暗し」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
灯台下暗しの意味
「灯台下暗し」には次の意味があります。
・灯台のすぐ下は暗いところから、身近な事情はかえってわかりにくいたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
「灯台下暗し」をわかりやすく言うと、「人は、身近なことには逆に気づきにくい。」という意味です。
ここで言う「灯台」は、港や岬の灯台ではなく、燭台のことを表しています。燭台は周囲を明るく照らす反面、真下は影になって暗い様子からできた言葉です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・灯台下暗し、ということで、すぐ近所の彼女の家に潜ひそめば、敵もこちらを見つけにくかろう、と思ったのだが。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!2 疾るワン・ナイト・スタンド』)
・小使を呼んで探させると、小柴の卓子の中には、横着なことには、機密書類の謄本がそっくり保存してあります。灯台下暗しとでも思って、こんな手近なところへ隠したものでしょう。
(出典:野村胡堂『女記者の役割』)
・涼宮ハルヒがあれほど熱望し、追い求めている不思議的な存在だ。それがこんな身近にいたとは、灯台下暗しとはこれを指して言うべきだ。
(出典:谷川流『1 涼宮ハルヒの憂鬱』)
・灯台下暗しという言葉を信じてこのままここに隠れるか?
(出典:奈須きのこ『歌月十夜-17 酔夢月』)
・忍術の要諦は弥左衛門のように、敵の内懐へとびこみ、敵の睫毛の上に乗れば、かえって近すぎて敵に見えない。灯台下暗しとはこのことである。
(出典:稲垣史生『考証[時代劇]』)
類語
・傍目八目(おかめはちもく)
意味:第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。(出典:デジタル大辞泉)
・目はその睫を見る能わず(めはそのまつげをみるあたわず)
意味:目はなんでも見ることができるが、自分のまつげを見ることはできない。他人の欠点にはよく気づくが、自分の欠点は見えないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・足元から鳥が立つ(あしもとからとりがたつ)
意味:身近な所で意外なことが起こる。(出典:デジタル大辞泉)
・秘事は睫(ひじはまつげ)
意味:秘事・秘伝はまつげのようなもので、案外手近なところにあるが、容易に気づかれないということ。(出典:デジタル大辞泉)