潤沢
「潤沢な資金」などのように使う「潤沢」という言葉。
「潤沢」は、音読みで「じゅんたく」と読みます。
「潤沢」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「潤沢」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
潤沢の意味
「潤沢」には次の二つの意味があります。
1 ものが豊富にあること。また、そのさま。
2 しっとりとしてつやのあるさま。うるおいのあるさま。また、つややうるおい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
潤沢の意味①「ものが豊富にあること。また、そのさま。」
「潤沢」の一つ目の意味は「ものが豊富にあること。また、そのさま。」です。
物資や利益などが十分にあり、満ち足りている様子を表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・施設も潤沢とはいえませんでしたから、食事も満足にとれませんでした。
(出典:大野木寛『ラーゼフォン第02巻』)
・これに当時の潤沢なる巡回旅費を加えても、なお七十円ばかりに過ぎない。
(出典:森鴎外『渋江抽斎』)
・もちろん、野球部の資金が潤沢となった現在では、もうそんなことはやらない。
(出典:山口瞳『草野球必勝法』)
・そのために私の人生がどれだけ潤沢になったか測り知れない。
(出典:河盛好蔵『井伏鱒二随聞』)
類語
・十分・充分(じゅうぶん)
意味:条件を満たして、不足がないさま。満足できるさま。(出典:大辞林 第三版)
・豊満(ほうまん)
意味:豊かで十分にあること。豊かに満ちていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・ふんだん
意味:絶え間なく続くさま。転じて、あまるほど多くあるさま。豊富。(出典:デジタル大辞泉)
・豊富(ほうふ)
意味:豊かであること。ふんだんにあること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
潤沢の意味②「しっとりとしてつやのあるさま。うるおいのあるさま。また、つややうるおい。」
「潤沢」の二つ目の意味は「しっとりとしてつやのあるさま。うるおいのあるさま。また、つややうるおい。」です。
潤沢という言葉の本来の意味は、こちらです。
水分が十分に行き渡り、潤っている様子を表しています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・三十二相そなわりたる美人と記しあれば、毛髪の潤沢なること知るべし。
(出典:阿刀田高『江戸禁断らいぶらりい』)
・肌の色艶が良く、髪は白いものがあるが潤沢だ。
(出典:山口瞳『還暦老人ボケ日記』)
・熟した梅の実は豊かな肉と酒のやうな潤沢な匂いを持つてゐた。
(出典:新美南吉『登つていつた少年』)
・その品位と潤沢と威信とに於て、雁皮の美は比類なく、その生命は永劫である。
(出典:柳宗悦『和紙の美』)
類語
・艶(つや・あで・えん)
意味:物の表面から出るしっとりとした光。光沢。(出典:デジタル大辞泉)
・潤い(うるおい)
意味:適度の水分を含むこと。しめり。(出典:デジタル大辞泉)
・豊潤(ほうじゅん)
意味:豊かで、うるおいのあること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)