漫然
「漫然と過ごす」などのように使う「漫然」という言葉。
「漫然」は、音読みで「まんぜん」と読みます。
「漫然」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「漫然」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
漫然の意味
「漫然」には次の意味があります。
・とりとめのないさま。ぼんやりとして心にとめないさま。(出典:デジタル大辞泉)
これという目的や意識を持たずに、ぼんやりとした様子を表す言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そんな理窟の立たない漫然としたものではないのです。
(出典:夏目漱石『私の個人主義』)
・お望みとあらばとにかく漫然であるが、見聞の一端を思い出づるままにとりとめもなくお話して見よう。
(出典:淡島寒月『亡び行く江戸趣味』)
・今度こそ目的のない漫然とした旅役者ではなく、光彩ある日本劇壇として明治三十四年に再び渡欧した。
(出典:長谷川時雨『マダム貞奴』)
・ジャーナリズム一般に対する筋の通らない漫然とした反感又は軽侮の気持を有つのを常とする。
(出典:戸坂潤『世界の一環としての日本』)
・何も無理矢理に、出鱈目に、偶然に、漫然に持ち上がった事実では決してない。
(出典:夏目漱石『吾輩は猫である』)
類語
・のんべんだらり
意味:何をするのでもなく、だらだらしているさま。また、物事のやり方・進め方に締まりがないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・なおざり
意味:いいかげんにしておくさま。本気でないさま。おろそか。(出典:デジタル大辞泉)
・放漫(ほうまん)
意味:でたらめで、しまりのないこと。やりっ放しでいい加減なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・無気力(むきりょく)
意味:何をする気力もないこと。やる気のないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・ルーズ
意味:締まりのないさま。だらしのないさま。(出典:デジタル大辞泉)