渓谷
「渓谷に沿って歩く」などのように使う「渓谷」という言葉。
「渓谷」は、音読みで「けいこく」と読みます。
「渓谷」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「渓谷」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
渓谷の意味
「渓谷」には次の意味があります。
・山にはさまれた、川のある所。たに。たにま。(出典:デジタル大辞泉)
「渓谷」は、山と山の合間に川が流れている場所(谷間)のことを指し、その中でも、特に谷間の幅が狭く、両側に切り立った崖がそびえる谷のことは「峡谷」と言います。
このように「谷」の前後につく漢字によって谷の様子は変わってきます。例えば、奥深く静かであるという意味をもつ「幽」がつく漢字がつけば、山深いところにある静かな谷を意味するようになります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・渓谷を美しくする要素として、第一に挙げたいのは水の色である。
(出典:木暮理太郎『渓三題』)
・急ぐ旅でもないし、ここで降りて渓谷まで行ってみることにした。
(出典:川本三郎『ちょっとそこまで』)
・この雪を孕んだ渓谷には、まだ人の姿を見たことのない岩魚がいる。
(出典:佐藤垢石『雪代山女魚』)
・渓谷に入ると、すぐ川が現れ、道はそれに沿って、岩山の裾を走ってゆく。
(出典:井上靖『私の西域紀行(上)』)
・石がごろごろ転がる渓谷を澄んだ水が小さな滝のように勢い良く流れていく。
(出典:縞田理理『霧の日にはラノンが視える1』)
類語
・谷間(たにあい)
意味:山と山とがせまり、凹んでいるところ。(出典:デジタル大辞泉)
・峡谷(きょうこく)
意味:幅が狭くて、両側のがけが高くけわしい谷。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・幽谷(ゆうこく)
意味:山深いところにある静かな谷。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・沢(さわ)
意味:山間の谷。また、そこを流れる水。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・雪渓(せっけい)
意味:夏でも雪や氷が溶けきらないで残っている谷。(出典:精選版 日本国語大辞典)