海綿
「海綿に水を含ませる」などのように使う「海綿」という言葉。
「海綿」は、音読みで「かいめん」と読みます。
「海綿」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「海綿」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
海綿の意味
「海綿」には次の意味があります。
・モクヨクカイメンの繊維状の骨格。網状で黄色く、弾力性に富み、水分をよく吸収する。化粧用・事務用などに用いる。スポンジ。(出典:小学館 日本大百科全書)
海綿をわかりやすく言うと「スポンジ」のことです。
また、「海綿」は「海綿動物」の総称としても使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そして彼は水を一杯に含んだ海綿のやうに、心から感傷的に溺れてゐた。
(出典:小林多喜二『一九二八年三月十五日』)
・海綿をおすと水が出るように、眼から鼻から口から同時に涙があふれた。
(出典:モーパッサン/杉捷夫訳『シモンのパパ』)
・ダッチス郡のここもあたり一面、水をすった海綿のようになっています。
(出典:ウェブスター/北川悌二訳『続あしながおじさん』)
・それからまたあの人は、海綿を忘れたと言って、裸のまま廊下をはしった。
(出典:ウルフ/大澤実訳『ダロウェイ夫人』)
・その皿の上にのっていた灰色のぶよぶよした海綿のようなものも見えませんか。(出典:海野十三『超人間X号』)
類語
・海綿動物(かいめんどうぶつ)
意味:繊維質の骨格によって支えられる多孔性の体を持つ原始多細胞海洋動物(出典:Weblio類語辞典)
・海綿質(かいめんしつ)
意味:角質あるいは絹糸質に似たもので、体内に散在する骨片と骨片を膠着(こうちゃく)する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・海綿体(かいめんたい)
意味:陰茎や陰核の主体となる組織。(出典:小学館 日本大百科全書)
・スポンジ(sponge)
意味:モクヨクカイメンなど、骨片がなく、海綿質繊維が網目状構造をしている海綿類をさらして海綿質繊維だけにしたもの。吸水性が強く、入浴用などに利用される。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・多孔質(たこうしつ)
意味:多数の小気孔で,これらは圧縮または流動のために球状または伸びた形状をしている。(出典:岩石学辞典)