浮遊
「空中浮遊」などのように使われる「浮遊」と言う言葉。
「ふゆう」と読みます。
『浮』くと言う言葉が使われているように空中を飛ぶことに関連しています。
空中を飛ぶことを意味する言葉はたくさんありますがそれぞれを細かく説明するのは意外と難しいですよね。
この記事では「浮遊」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
浮遊の意味
「浮遊」には次の二つの意味があります。
1空中や水面に浮かびただようこと。
2行先を定めないで旅をすること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については以下の通りです。
浮遊の意味①「空中や水面に浮かびただようこと」
浮遊の一つ目の意味は「空中や水面に浮かびただようこと」です。
自分の力ではなくわずかな風や水の流れによって動いている状態に対して使われます。
また、「浮遊している状態」は主に速度が緩やかで上昇・下降を繰り返しているような状態になります。
空気中に浮かんでいるほこりをイメージするとわかりやすいかもしれません。
使い方・例文
・サイド4近くは、かつてのコロニー群の残骸が浮遊している宙域である。
(出典:富野由悠季『Zガンダム 星を継ぐ者』)
・それが、樹脂の透明なブロックの中に浮遊したまま固定されている。
(出典:乙一『GOTH リストカット事件』)
・究所の真上の空には、女神の巨大な城・リクンカンドが浮遊している。
(出典:岡野麻里安『銀の共鳴5 雪の破魔弓』)
・死体はその中に裸で浮遊してる形で発見されたんやな?
(出典:有栖川有栖『ダリの繭』)
・いったい、いかなる力で虚空に浮遊しているのかは推測もできない。
(出典:九里史生『SAO Web 0407 第八章02』)
・ベルと神名の間に黒い何かが現れ、その場に浮遊していた。
(出典:花鳳神也『死神とチョコレート・パフェ 1』)
浮遊の意味②「行き先を定めないで旅をすること」
浮遊の二つ目の意味は「行き先を定めないで旅をすること」です。
こちらの意味は主に遊ぶと言う意味合いが強く、思うままに振る舞う様子を指しています。
春になると見られるたんぽぽの綿毛なども風に乗って行き先を決めないで飛んでいきます。
このような様子を浮遊していると表現するんですね。
使い方・例文
・目は上俵上にいっているのだが、気持ちはあらぬところを浮遊した。
(出典:もりたなるお『金星 相撲小説集』)
・浮遊霊と違ってあちこち浮遊しないで、その場でじっと孤独に耐えている。
(出典:佐藤愛子『冥途のお客』)
・寝入りばなにぼくは、肉体を離れて空中に浮遊している自分に気づくのだ。
(出典:東峰夫『オキナワの少年』)