洗練
「洗練された文章」などのように使う「洗練」という言葉。
「洗練」は、音読みで「せんれん」と読みます。
「洗練」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「洗練」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
洗練の意味
「洗練」には次の二つの意味があります。
1 詩歌・文章の表現を推敲して、よりよいものにすること。
2 人柄や趣味などを、あかぬけのした優雅・高尚なものにすること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
洗練の意味①「詩歌・文章の表現を推敲して、よりよいものにすること。」
「洗練」の一つ目の意味は「詩歌・文章の表現を推敲して、よりよいものにすること。」です。
文章などを何度も読み直し、書き直して、より良い表現にすることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いわゆるリアリズムの作家にこうした洗練された立派な表現があるだろうか。
(出典:菊池寛『志賀直哉氏の作品』)
・そのたびに新たな表現が生まれ、言葉は洗練され、考え尽くされている。
(出典:榊涼介『ガンパレード・マーチ 5-5121小隊 episode ONE』)
・思想の表現や文体が文学的に洗練されているだけではないのだ。
(出典:戸坂潤『日本イデオロギー論』)
・淺見君の小説は、洗練された筆で自分の身邊のことを素朴に書いたものが多い。
(出典:梶井基次郎『浅見淵君に就いて』)
類語
・粋(いき)
意味:質が良くすぐれている。すぐれたもの。(出典:デジタル大辞泉)
・垢抜け(あかぬけ)
意味:容姿、態度、技芸などが洗練されて素人離れしていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・風流(ふうりゅう)
意味:上品で優美な趣のあること。優雅なおもむき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・御洒落(おしゃれ)
意味:服装や化粧などを洗練したものにしようと気を配ること。(出典:デジタル大辞泉)
洗練の意味②「人柄や趣味などを、あかぬけのした優雅・高尚なものにすること。」
「洗練」の二つ目の意味は「人柄や趣味などを、あかぬけのした優雅・高尚なものにすること。」です。
わかりやすく言うと「人柄などに磨きをかけて、品位の高いものにすること」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのため服装やマナーも洗練されたものを身につけることを要求される。
(出典:中川靖造『海軍技術研究所』)
・頭の先から足の先まで、一分の隙もない、洗練された都会人ではないか。
(出典:酒井嘉七『静かな歩み』)
・しかし洗練された教養のある女性は、彼にはほとんど新しい存在であった。
(出典:スタンダール/白井浩司訳『恋愛論』)
・それを更にそれ以上に洗練して、新しい型を残すのは尋常人の出来る事でない。
(出典:夢野久作『能とは何か』)
・ぼくの感覚は日一日と洗練の度を加えていった。
(出典:アポリネール/須賀慣訳『若きドンジュアンの冒険』)
・軍隊の生活で、舌も胃も洗練と逆方向の位置に固定されている。
(出典:田中芳樹『銀河英雄伝説外伝 4』)
・往古からの皇都としての洗練が、町にも風景にもあるように、人にもある。
(出典:池波正太郎『人斬り半次郎 幕末編』)
類語
・端麗(たんれい)
意味:姿、形がととのっていて美しいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・昇華(しょうか)
意味:物事が一段上の状態に高められること。(出典:デジタル大辞泉)
・風流(ふうりゅう)
意味:上品で優美な趣のあること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・鮮麗(せんれい)
意味:あざやかできれいなこと。(出典:デジタル大辞泉)