氷雨
「氷雨の中で立ち尽くした」などのように使う「氷雨」という言葉。
「氷雨」は、熟字訓読みで「ひさめ」と読みます。
「氷雨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「氷雨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
氷雨の意味
「氷雨」には次の意味があります。
・ 雹(ひょう)。霰(あられ)。みぞれ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
夏には「ひょう」「あられ」のことを指し、冬には「みぞれ」や「冷たい雨」のことを指します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・氷雨のような冷たい雨の中を走り続けるうち、おれの眼はかすんできた。
(出典:筒井康隆『原始人』)
・秋は足早に去り、圧石を置いた板屋根を、氷雨が打つ日がつづいていた。
(出典:柴田錬三郎『(柴錬立川文庫2) 真田幸村』)
・南の海上を通る低気圧のため、夜になって氷雨のようなものが降った。
(出典:水木楊『田中角栄 その巨善と巨悪』)
・長坂を過ぎたあたりから、空は灰色になり細かな氷雨が降り始めた。
(出典:篠田節子『ハルモニア』)
・午後の三時には、ダーニクとトスの予想どおり、雪に氷雨がまじりだした。
(出典:エディングス『マロリオン物語3 マーゴスの王』)
類語
・雹(ひょう)
意味:空から降ってくる氷の塊。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・霰(あられ)
意味:雲の中で雪に微小な水滴が凍りつき、白色の小さい粒となって降ってくるもの。(出典:デジタル大辞泉)
・氷霰(こおりあられ)
意味:雪霰の周囲に水滴がうすく氷結したもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・冷雨(れいう)
意味:つめたい雨。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・みぞれ
意味:雨と雪が同時に混ざる降水。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)