氷山の一角
「今回摘発された事件は氷山の一角にすぎない」などのように使う「氷山の一角」という言葉。
「氷山の一角」は、「ひょうざんのいっかく」と読みます。
「氷山の一角」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「氷山の一角」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
氷山の一角の意味
「氷山の一角」には次の意味があります。
・表面に現れている事柄は好ましくない物事の全体のほんの一部分であることのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
物事のごく一部しか未だに現れていない事を表す言葉です。
氷山の海面上に見える部分は全体の七分の一から八分の一であるところが由来となっています。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・これが西洋の醜さの氷山の一角であったなんて見当もついていなかった。
(出典:米谷ふみ子『過越しの祭』)
・「あなたが氷山の一角に過ぎないからよ」 そして、そのまま気を失った。
(出典:秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第1巻 「獅子序章 – from the aspect of MIZU」』)
・ここで見たのは氷山の一角にすぎないのではないか。
(出典:小林信彦『怪物がめざめる夜』)
・新聞にも出ましたが、こういうのは氷山の一角でしてね。
(出典:半村良『英雄伝説』)
・それが警察に被害届が出され、この事件のように表沙汰になるのは氷山の一角である。
(出典:吾妻博勝『新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街』)
・東京の美しさは、海面に露われた氷山の一角でしかなかった。
(出典:森村誠一『科学的管理法殺人事件』)
・これまで世に出た汚職事件は、彼らにとっては不幸にしてたまたま暴露された氷山の一角である。
(出典:松本清張『日本の黒い霧(上)』)
・それは犯罪にとって「氷山の一角」にしか過ぎないものであるかもしれないが、少なくとも我々にとって必要なものである。
(出典:別役実『犯罪症候群』)