比較
「比較対象」などのように使う「比較」という言葉。
「比較」は、音読みで「ひかく」と読みます。
「比較」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「比較」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
比較の意味
「比較」には次の二つの意味があります。
1 二つ以上のものを互いにくらべ合わせること。
2 くらべるに価(あたい)する対象。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
比較の意味①「二つ以上のものを互いにくらべ合わせること。」
「比較」の一つ目の意味は「二つ以上のものを互いにくらべ合わせること。」です。
「比」と「較」はどちらも「くらべる」を意味する漢字であり、「比較」は同じ意味の漢字を重ねた二字熟語です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・両方の花を比較してみても、到底同種類の植物の花とは思われないのである。
(出典:寺田寅彦『柿の種』)
・いますれちがったばかりの二人づれに自分を比較した。
(出典:堀辰雄『聖家族』)
・研究者たちは、綿密な比較検討の末にとても大胆な結論に達する。
(出典:玄侑宗久『禅的生活』)
・どちらがより兵器として適しているかをテストする比較対象でもあったのだ。
(出典:大迫純一『ゾアハンター 2 ウリエルの娘』)
・比較的近いところにある二十個ばかりの惑星の一つを選んでもよかったのだ。
(出典:E・E・スミス『創元版 スカイラーク・シリーズ(全4巻) 4 スカイラーク対デュケーヌ』)
比較の意味②「くらべるに価する対象。」
「比較」の二つ目の意味は「くらべるに価する対象。」です。
この意味では「比較にならない」という形で使います。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・他の二つがあんまりひどくて比較にならない。
(出典:古川緑波『古川ロッパ昭和日記』)
・自分の頭の中にごたごたしている世相とは、とても比較にならない。
(出典:夏目漱石『三四郎』)
・ヨーロッパのそれとは比較にならないほどに複雑で豊かだ。
(出典:片岡義男『エルヴィスから始まった』)
・しかも昔とは比較にならぬ巨大なエネルギーなんです。
(出典:海野十三『千年後の世界』)
・コント作家としての技巧においては彼はポーとは比較にならぬほど優れている。
(出典:平林初之輔『ルヴエルの『夜鳥』』)