残照
「残照の空」などのように使う「残照」という言葉。
「残照」は、音読みで「ざんしょう」と読みます。
「残照」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「残照」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
残照の意味
「残照」には次の意味があります。
・日が沈んでからも雲などに照り映えて残っている光。(出典:デジタル大辞泉)
夕日の光やその残光を指す言葉になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・波頭は残照を受けてまだ赤く輝いていたが、波間はすっかり暗くなった。
(出典:グィン『ゲド戦記1 影との戦い』)
・ほとんど残照がないと言ってよいくらいに日が落ちるとすぐに暗くなってしまう。
(出典:森村誠一『新・人間の証明(上)』)
・夕陽が落ちたばかりで、オレンジ色の残照に彩られた西の山に向かって。
(出典:山本弘『サーラの冒険 Extra 死者の村の少女』)
・残照の空を背景にそれはシルエットと化し、周囲の森と一体になっていた。
(出典:中村弦『天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語』)
・遠く近く形をかえてつづいて行く両側の丘や森に、残照はもはや跡もなかった。風も冷えてきていた。
(出典:山川方夫『その一年』)
・まだ残照が残っていたが、地上はもう暗くなりかかっている。
(出典:神吉拓郎『私生活』)
・刃のような鋭さをまとった声が、最後の残照に染まる空気を切り裂いた。
(出典:川原礫『アクセル・ワールド 第2巻 -紅の暴風姫』)
・或いは、残照の最後の余炎ともいうべき数十秒の間であったかもしれない。
(出典:山田風太郎『忍法帖7 魔界転生 下』)