横ばい
「横ばい状態」などのように使う「横ばい」という言葉。
「横ばい」は、訓読みで「よこばい」と読みます。
「横ばい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「横ばい」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
横ばいの意味
「横ばい」には次の二つの意味があります。
1 横にはうこと。
2 物価・相場・計数などで目立った変動のない状態が続くこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
横ばいの意味①「横にはうこと。」
「横ばい」の一つ目の意味は「横にはうこと。」です。
漢字の通り、物理的に「横に這うこと」を意味します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・塀にピッタリ身をつけて、カニのように、横ばいをするほかはないのです。
(出典:江戸川乱歩『透明怪人』)
・まだ壁につかまらなければ危険だけれど、蟹の横ばいの必要はなかった。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル1] 横溝正史 「八つ墓村」』)
・慌てて斜面を横ばいに走る。
(出典:小野不由美『屍鬼(下)』)
・ガラガラ蛇が横ばいをするのも奇妙である。
(出典:寺田寅彦『映画雑感(III)』)
・横ばい風の奇妙な歩きかたで近よると、手の甲で口をかくすようにしながら、聞くのだった。
(出典:黒柳徹子『トットチャンネル』)
横ばいの意味②「物価・相場・計数などで目立った変動のない状態が続くこと。」
「横ばい」の二つ目の意味は「物価・相場・計数などで目立った変動のない状態が続くこと。」です。
数値の上下変動がなく、一定水準のまま推移していることを言います。
特に物価や売り上げなどについて言うことが多いです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・年収は手取り四百万の横ばいが続いている。
(出典:桜木紫乃『ホテルローヤル』)
・売り上げは横ばいにもかかわらず利益だけが減っていく。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(下)』)
・市場全体の平均株価は横ばいだった。
(出典:曽根圭介『鼻』)
・CVCCの性能はほとんど横ばい。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(下)』)
・すでに科学技術発達のある段階に達しており横ばい状態だった。
(出典:ディック/仁賀克雄訳『ウォー・ヴェテラン』)