模糊
「曖昧模糊」などのように使う「模糊」という言葉。
「模糊」は、音読みで「もこ」と読みます。
「模糊」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「模糊」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
模糊の意味
「模糊」には次の意味があります。
・ぼんやりしているさま。はっきりしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
「模」と「糊」はどちらも「はっきりしない」や「ぼんやりする」という意味を持つ漢字です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・絵巻物ではそのかわりに雲や水や森や山の模糊たる雰囲気が用いられる。
(出典:寺田寅彦『映画芸術』)
・勝利者にとっても敗北者にとっても、それは等しく模糊たるものである。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・模糊とした雑踏の中を、はる子は郊外電車の発着所に向いて歩いていた。
(出典:宮本百合子『沈丁花』)
・確かにここに文化の交替に似た或る模糊としたものがあって横たわっている。
(出典:戸坂潤『友情に関係あるエッセイ』)
・その末はいつとなく模糊たる雲煙の中に没しているのが誘惑的である。
(出典:寺田寅彦『浅間山麓より』)
類語
・不鮮明(ふせんめい)
意味:はっきりしないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・不明瞭(ふめいりょう)
意味:はっきりしないこと。あいまいなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・蒼然(そうぜん)
意味:薄暗くぼんやりしているさま。(出典:デジタル大辞泉)
・茫然(ぼうぜん)
意味:漠然としてとりとめのないさま。判然としないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・きょとん
意味:びっくりしたり、事情がのみこめなかったりして、目を見開いてぼんやりしているさま。(出典:デジタル大辞泉)