業火
「燃え盛る業火」などのように使う「業火」という言葉。
「業火」は、音読みで「ごうか」と読みます。
「業火」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「業火」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
業火の意味
「業火」には次の二つの意味があります。
1 悪業が身を滅ぼすことを火にたとえていう語。
2 地獄の罪人を苦しめる猛火。激しい炎や大火のたとえにもいう。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
業火の意味①「悪業が身を滅ぼすことを火にたとえていう語。」
「業火」の一つ目の意味は「悪業が身を滅ぼすことを火にたとえていう語。」です。
この意味では実際に燃えているのではなく、「悪いことをすると身を燃やすことになるぞ」というたとえとして使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この世を覆う不条理の業火は、無垢な少年の眼の中にさえ飛び火するのだ。
(出典:曽根圭介『鼻』)
・死の業火を突き抜けて君たちと一緒に進んでいきたく思うのだ。
(出典:ウルフ/鈴木幸夫訳『波』)
・その膝許に地獄のあらゆる業火を蔵している女です。
(出典:バルザック/小西茂也訳『風流滑稽譚(第二輯)』)
・そういう、未練とも業火ともいえるものが、今、慎平の中で猛っていた。
(出典:南里征典『成城官能夫人』)
類語
・罪業(ざいごう)
意味:罪のおこない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・因業(いんごう)
意味:報いの原因となる行為。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・三毒(さんどく)
意味:人の善心を害する3種の煩悩ぼんのう。貪・瞋・痴。(出典:デジタル大辞泉)
・業病(ごうびょう)
意味:前世の悪業の報いによって起こるとされる、なおりにくい病気。(出典:精選版 日本国語大辞典)
業火の意味②「地獄の罪人を苦しめる猛火。激しい炎や大火のたとえにもいう。」
「業火」の二つ目の意味は「地獄の罪人を苦しめる猛火。激しい炎や大火のたとえにもいう。」です。
この意味では、実際に激しく燃え盛る炎や火のことを指します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・オレンジ色の業火の中、ほどなく三番機は一番機とともに離脱していた。
(出典:榊涼介『ガンパレード・マーチ 11-5121小隊の日常II』)
・業火が、東京を千年昔の墓地に還らせようとする破壊の魔人を呼んだ。
(出典:荒俣宏『帝都物語6』)
・こと露見に至って宗寿軒らは自ら地雷火に火をつけ、業火の中に果てた。
(出典:縄田一男『捕物帳の系譜』)
・一歩間違えば、自分たちはあの業火の中で身を焼き尽くされていたのである。
(出典:ヤマグチノボル『ゼロの使い魔 第16巻 ド・オルニエールの安穏』)
類語
・狂炎(きょうえん)
意味:はげしく燃えあがる炎。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・烈火(れっか)
意味:はげしく燃える火。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・猛火(もうか)
意味:激しく燃える火。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・火柱(ひばしら)
意味:柱のように空中に高く燃え上がった炎。(出典:デジタル大辞泉)