森閑
「森閑とする」などのように使う「森閑」という言葉。
「森閑」は、音読みで「しんかん」と読みます。
「森閑」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「森閑」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
森閑の意味
「森閑」には次の意味があります。
・物音ひとつせず、ひっそりと静まりかえっているさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「森閑」は「深閑」と表記することもあり、読み方や意味はどちらも同じです。
「閑」の字には「しずか」という意味があります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・森閑とした森を控え、死者は二度と戻るなと様々な約束事をさせられる。
(出典:岩井志麻子『夜啼きの森』)
・観客はみんな足早に帰って行ったらしく境内はすでに森閑としている。
(出典:阿刀田高『楽しい古事記』)
・十二月半ばのことだったが、広い法隆寺の境内は森閑としたものだった。
(出典:金達寿『日本の中の朝鮮文化 3』)
・広大な屋敷の中は森閑と静まり返って、殆ど人の住む気配もない程である。
(出典:福永武彦『風のかたみ』)
・広場は躑躅の客で一杯ですが、此辺は森閑として人の気配もありません。
(出典:野村胡堂『踊る美人像』)
類語
・閑静(かんせい)
意味:土地、または住居などが、ざわめきが聞こえずもの静かなさま。また、そのような場所。かんじょう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・静寂(せいじゃく)
意味:静かでさびしいこと。また、そのさま。じょうじゃく。せいせき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・閑寂(かんじゃく)
意味:ものしずかであること。さびしくひっそりとしていること。また、そのさま。閑静。かんせき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・水を打ったよう(みずをうったよう)
意味:その場にいる多くの人々が静まりかえるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・沈黙(ちんもく)
意味:音を出さないこと。物音もなく静かなこと。(出典:デジタル大辞泉)