梯子
「梯子をかける」などのように使う「梯子」という言葉。
「梯子」は、訓読みで「はしご」と読みます。
「梯子」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「梯子」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
梯子の意味
「梯子」には次の三つの意味があります。
1高い所へ登るための道具で、長い2本の材の間に足がかりの横棒を何本もつけたもの。
2階段。段梯子。
3 「梯子酒」の略。転じて、いくつかの場所を続けてわたり歩くこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
梯子の意味①「高い所へ登るための道具で、長い2本の材の間に足がかりの横棒を何本もつけたもの。」
「梯子」の一つ目の意味は「高い所へ登るための道具で、長い2本の材の間に足がかりの横棒を何本もつけたもの。」です。
梯子のついた消防車などで、見かけたことがあると思います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・月に一回、裏から梯子をかけて、登って行って捲くのだとか聞きました。
(出典:小金井喜美子『鴎外の思い出』)
・梯子伝いに下に降りると、宮殿のこの部分の上の階の大きな部屋へ出た。
(出典:バローズ『火星シリーズ7 火星の秘密兵器』)
・通りすぎてからふりかえってみると、その梯子をおりてくる男があります。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 緋色の研究』)
類語
・裏梯子(うらばしご)
意味:主な階段のほかに、家の奥や勝手などの方に通じている別の階段。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・火の見梯子(ひのみばしご)
意味:火災を発見するために設けた梯子。(出典:デジタル大辞泉)
・縄梯子(なわばしご)
意味:二本の縄を平行にして、ところどころに木または金属製の棒をわたして足をかけるようにしたはしご。(出典:精選版 日本国語大辞典)
梯子の意味②「階段。段梯子。」
「梯子」の二つ目の意味は「階段。段梯子。」です。
足を掛ける部分が棒ではなく幅広い板になっているものを言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・二十歳の彼は書棚にかけた西洋風の梯子に登り、新らしい本を探してゐた。
(出典:芥川竜之介『或阿呆の一生』)
・あの七戒の書いてある大納屋の壁の下に、二つに折れた梯子が倒れていた。
(出典:オーウェル/佐山栄太郎訳『動物農場』)
・小川がさきに梯子を上り、千鶴が上ってくる途中で、手を差し伸べた。
(出典:森博嗣『X 1 イナイ×イナイ (講談社ノベルス)』)
類語
・梯子段(はしごだん)
意味:段ばしごの階段。また、梯子の横木の一段一段。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・御階(みはし)
意味:宮中・神社などの階段を尊んでいう語。(出典:デジタル大辞泉)
・掛橋(かけはし)
意味:はしご。階段。(出典:デジタル大辞泉)
梯子の意味③「「梯子酒」の略。転じて、いくつかの場所を続けてわたり歩くこと。」
「梯子」の三つ目の意味は「「梯子酒」の略。転じて、いくつかの場所を続けてわたり歩くこと。」です。
お酒を飲んだその足で別の店へ飲みに行くことを言いますが、転じて、お酒以外のことでも複数の場所に続けて行くことを「梯子する」などと言います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・梯子酒というのは知っているが、いすずさんのように子供酒は初めてである。
(出典:小野佐世男『ストリップ修学旅行』)
・どうせ一人歩きの梯子酒だから、私にいなやのあろうはずはなかった。
(出典:半村良『雨やどり』)
・江分利は洒落をいいたいために梯子酒をするという癖がある。
(出典:山口瞳『江分利満氏の華麗な生活』)
類語
・梯子飲み(はしごのみ)
意味:次から次へと場所を変えて酒を飲み歩くこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・痛飲(つういん)
意味:大いに酒を飲むこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・飲み歩く(のみあるく)
意味:あちこちの店を歩き回り、酒を飲む。(出典:デジタル大辞泉)