未曾有
「未曾有の大事故」などのように使う「未曾有」という言葉。
「未曾有」は、音読みで「みぞう」と読みます。
「未曾有」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「未曾有」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
未曾有の意味
「未曾有」には次の二つの意味があります。
1 今まで一度もなかったこと。きわめて珍しいこと。
2 十二分経の一。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
未曾有の意味①「今まで一度もなかったこと。きわめて珍しいこと。」
「未曾有」の一つ目の意味は「今まで一度もなかったこと。きわめて珍しいこと。」です。
いまだかつて無い、非常に珍しいことに対して使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その時から未曾有の 危機が起こるのだと、そう言っていたな。
(出典:冴木忍『カイルロッドの苦難 6 悲しみは黄昏とともに』)
・今の比島周辺の戦局を敵は米海軍未曾有の危機なりと称している。
(出典:伊藤整『太平洋戦争日記(三)』)
・明治の初期における社会の革新的な動き方は、日本の歴史に未曾有のものであった。
(出典:宮本百合子『私たちの建設』)
・自らの手で、未曾有の巨大航空機事故の刑事責任を追及する気だ。
(出典:海野十三『大宇宙遠征隊』)
類語
・特異(とくい)
意味:特別に他とちがっていること。(出典:デジタル大辞泉)
・空前絶後(くうぜんぜつご)
意味:過去にも例がなく、将来もありえないと思われること。(出典:デジタル大辞泉)
・奇抜(きばつ)
意味:きわめて風変わりで、人の意表をつくこと。(出典:デジタル大辞泉)
・希世(きせい)
意味:世にまれなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・新奇(しんき)
意味:目新しくて珍しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
未曾有の意味②「十二分経の一。」
「未曾有」の2つ目の意味は「十二分経の一。」です。
仏やその他の神秘なことや、その功徳を記した経典を指します。
類語
・経文(きょうもん)
意味:仏教の経典。(出典:デジタル大辞泉)
・草紙(そうし)
意味:漢籍・和本などで、紙を綴(と)じ合わせた形式の書物。(出典:デジタル大辞泉)
・書巻(しょかん)
意味:書物。書籍。(出典:大辞林 第三版)
・神典(しんてん)
意味:神または神代のことを記した書物(出典:デジタル大辞泉)