木偶の坊
「この木偶の坊め」などのように使う「木偶の坊」という言葉。
「木偶の坊」は、「でくのぼう」と読みます。
「木偶の坊」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「木偶の坊」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
木偶の坊の意味
「木偶の坊」には次の意味があります。
・ 役に立たない人。気のきかない人。人のいいなりになっている人。また、そのような人をののしっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
「木偶」とは木彫りの操り人形を意味します。
操り人形は人に操られるだけで自分ではなにもできないことから、「役に立たない」という意味になりました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私はその横で、ただ木偶の坊のようにつっ立っていただけだった。
(出典:山本文緒『ブルーもしくはブルー』)
・母親は親父の言いなりになってハイハイとしか返事をしない木偶の坊。
(出典:奈須きのこ『空の境界 (下)』)
・一つでも動かしている間は残りを動かすことができず、単なる木偶の坊になってしまいます。
(出典:谷川流『5 涼宮ハルヒの棒 走』)
・自分でも、おまえみたいな木偶の坊がお経を読んで何が判る、とおもいますよ。
(出典:長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(上)』)
・それだから俺は始めから死ぬんだ死ぬんだといって聞かせているのに、貴様たちはまるで木偶の坊見たいだからなあ。
(出典:有島武郎『ドモ又の死』)
類語
・唐変木(とうへんぼく)
意味:気のきかない人物やわからずやなどをののしっていう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・朴念仁(ぼくねんじん)
意味:無口で愛想のない人。また、がんこで物の道理のわからない人。わからずや。(出典:デジタル大辞泉)
・魯鈍(ろどん)
意味:愚かで頭の働きが鈍いこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・盆暗(ぼんくら)
意味:ぼんやりしていて物事の見通しがきかないこと。また、そのさまやそのような人。ぼんやり者。おろか者。うつけもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・独活の大木(うどのたいぼく)
意味:からだばかり大きくて役に立たない人のたとえ。(出典:デジタル大辞泉)