暁
「暁の月」などのように使う「暁」という言葉。
「暁」は、訓読みで「あかつき」と読みます。
「暁」とは、どのような意味の言葉でしょうか？
この記事では「暁」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
暁の意味
「暁」には次の二つの意味があります。
1 太陽の昇る前のほの暗いころ。
2 待ち望んでいたことが実現する、その際。（出典：デジタル大辞泉）
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
暁の意味①「太陽の昇る前のほの暗いころ。」
「暁」の一つ目の意味は「太陽の昇る前のほの暗いころ。」です。
夜が明ける直前の、ぼんやりと薄暗いころを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・或夜も然うして寝てゐて、暁近くまで同君の経歴談を聞いた事があつた。
（出典：石川啄木『悲しき思出』）
・かすかに吹き出した暁の風が、二人の船を陸の方へ吹き送りはじめました。
（出典：夢野久作『ルルとミミ）
・ここにその老人は身を横にして輝かしい暁のくるのを待った。
（出典：ホメロス／呉茂一訳『イリアス（上）』）
・私の胸には暁の光を見るように、新しい勇気と、新しい希望とが湧いた。
（出典：白柳秀湖『駅夫日記』）
類語
・夜明け（よあけ）
意味：夜が明けること。太陽がのぼる頃。（出典：大辞林 第三版）
・有明（ありあけ）
意味： 広く、夜明けをいう。明け方。（出典：デジタル大辞泉）
・東雲（しののめ）
意味：夜が明けようとして東の空が明るくなってきたころ。（出典：デジタル大辞泉）
・曙（あけぼの）
意味：夜空がほのかに明るんでくる頃。（出典：大辞林 第三版）
暁の意味②「待ち望んでいたことが実現する、その際。」
「暁」の2つ目の意味は「待ち望んでいたことが実現する、その際。」です。
自分の目的や願望などが実現した時を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・若し人工心臓が出来た暁には、筋肉説も神経説も木っ葉微塵に砕かれる。
（出典：小酒井不木『人工心臓』）
・それが完成された暁、我々の社会生活は一体どうなるだろうか。
（出典：直木三十五『大衆文芸作法』）
・「これを投げ入れた者が誰かわかった暁には」スネイプが低い声で言った。
（出典：ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 02 ハリー・ポッターと秘密の部屋』）
・丑松の身が極つた暁には自分の妹にして結婚せるやうにしたい。
（出典：島崎藤村『破戒』）
類語
・その時（そのとき）
意味：前述のある時点を指す語。（出典：日本語表現辞典）
・その際（そのさい）
意味：ある特定の時点または場合を指すときの表現。（出典：日本語表現辞典）
