日和
「今日は散歩日和だ」などのように使う「日和」という言葉。
「日和」は、音読みで「ひより」と読みます。
「日和」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「日和」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
日和の意味
「日和」には次の三つの意味があります。
1空模様。天気。
2晴れたよい天気。晴天。また、なにかをするのに、ちょうどよい天気。
3 物事の成り行き。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
日和の意味①「空模様。天気。」
「日和」の一つ目の意味は「空模様。天気。」です。
天気や空模様は晴れていることを表している場合がほとんどです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・敵らしい動きはなく、この季節にしては珍らしくのどかな日和であった。
(出典:半村良『産霊山秘録』)
・それにしても何とまあ麗かな日和続きの、なつかしい冬であつたことよ。
(出典:牧野信一『三田に来て』)
・関東名物のからっ風もなく、春をおもわせるような日和がつづいている。
(出典:森村誠一『棟居刑事の復讐』)
・インドネシアは雨期というのに朝四時半頃からカンカン日和で閉口した。
(出典:矢口純『酒を愛する男の酒』)
類語
・天気(てんき)
意味:ある場所の、ある時刻の気象状態。気温・湿度・風・雲量などを総合した状態。(出典:デジタル大辞泉)
・空模様(そらもよう)
意味:天候の状態。空の様子。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・天象(てんしょう)
意味:空の様子。天空の模様。天気。(出典:精選版 日本国語大辞典)
日和の意味②「 晴れたよい天気。晴天。また、なにかをするのに、ちょうどよい天気。 」
「日和」の二つ目の意味は「 晴れたよい天気。晴天。また、なにかをするのに、ちょうどよい天気。 」です。
天気の良い日や物事を行うのに丁度良い天気である場合に使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・朝から夏らしいカッと照りつける太陽が頭の上にあって旅行日和とはいいがたい。
(出典:川本三郎『ちょっとそこまで』)
・だから今日みたいなスキー日和を無駄にするって法はないんだ。
(出典:イネス/池央耿訳『孤独なスキーヤー』)
類語
・晴渡る(はれわたる)
意味:一面に晴れる。残すところなく、すっかり晴れる。(出典:デジタル大辞泉)
・陽光(ようこう)
意味:太陽の光。日光。(出典:デジタル大辞泉)
・麗か(うららか)
意味: 空が晴れて、太陽が明るくのどかに照っているようす。(出典:精選版 日本国語大辞典)
日和の意味③「 物事の成り行き。 」
「日和」の三つ目の意味は「 物事の成り行き。 」です。
物事がなりゆく過程や結果だけでなく、形勢の意味も含まれています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・海軍が日和を見過ぎたことは事実である。
(出典:五味川純平『御前会議』)
・北前船の船頭たちがいくら慎重に日和を見ても、海難はやはりしばしばあった。
(出典:高田宏『木に会う』)
類語
・空合(そらあい)
意味:事の成りゆき。事態の進みぐあい。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・気運(きうん)
意味:時世のなりゆき。事の進行状態の中で、一定の方向をとろうとする傾向。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・形勢(けいせい)
意味:変化する物事の、その時その時の状態や勢力の関係。(出典:デジタル大辞泉)