既往症
「肺炎の既往症がある」などのように使う「既往症」という言葉。
「既往症」は、音読みで「きおうしょう」と読みます。
「既往症」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「既往症」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
既往症の意味
「既往症」には次の意味があります。
・これまでにかかったことのある病気で、現在は治癒しているもの。(出典:デジタル大辞泉)
「既往症」という言葉をわかりやすく言うと、「病歴」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・既往症を聞いて見ても、肝臓に何か来そうな、取り留めた事実もないのです。
(出典:森鴎外『カズイスチカ』)
・頭の中に彼の既往症の病名が文字になって整然と並んだ。
(出典:山本道子『ベティさんの庭』)
・他に原因となるような既往症もない。
(出典:綾辻行人『暗黒館の殺人(上)改訂6-2-8』)
・身長も合っているようだし、結核の既往症も合っている。
(出典:結城昌治『死者と栄光への挽歌』)
・まず既往症を完全に記録する。ついで患者の現症を確かめる。
(出典:水上茂樹『偉大な医師たち』)
・妻が入院中に、主治医の杉本医師が、家族の既往症を含む健康状態を総点検してくれた際、私の慢性肝炎疑を発見してくれたのが私の入院のきっかけである。
(出典:藤原作弥『聖母病院の友人たち ―肝炎患者の学んだこと―』)
・別にお偉方をお呼びする必要を認めません。症状は明白そのもの、既往症とも一致します。
(出典:ダイン/坂下昇訳『グリーン家殺人事件(下)』)
・また時には、肺結核という既往症がありながら酒もかなり飲む圭一を平手造酒といったり、どういう理由からか机竜之助と呼ぶこともある。
(出典:吉村昭『一家の主』)