撤廃
「規制を撤廃する」などのように使う「撤廃」という言葉。
「撤廃」は、音読みで「てっぱい」と読みます。
「撤廃」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「撤廃」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
撤廃の意味
「撤廃」には次の意味があります。
・それまで行われてきた制度やきまりなどをとりやめること。(出典:デジタル大辞泉)
「撤廃」の「撤」は、「引き上げる」という意味を持ちます。つまり、「撤廃」は今あるものだけでなく、これまで進めてきた途中のもの、また予定しているものも含めて取りやめるという意味を持つ言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・真の水平運動はどこまでも差別撤廃に向かってのみ進まねばなりません。
(出典:喜田貞吉『融和促進』)
・二人は間もなく最後の遠慮を撤廃して赤裸裸で向かい合うようになった。
(出典:谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』)
・ここにおいてか機会均等が叫ばれ、差別撤廃が唱えられるのは当然です。
(出典:喜田貞吉『融和促進』)
・キリスト教はこの世の差別を「撤廃」してしまったのではありませぬ。
(出典:キェルケゴオル/芳賀檀訳『愛について』)
・おそらくこうした規制は、時間はかかるにしても将来きっと撤廃されると思います。
(出典:楡周平『マリア・プロジェクト』)
類語
・廃止(はいし)
意味:やめて行わないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・解消(かいしょう)
意味:今までの状態や関係、約束などが消えてなくなること。また、それらをなくすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・撤回(てっかい)
意味:いったん提出・公示したものなどを、取り下げること。(出典:デジタル大辞泉)
・破棄(はき)
意味:契約・取り決めなどを一方的に取り消すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・放棄(ほうき)
意味:自分の権利・資格などを捨てて行使しないこと。(出典:デジタル大辞泉)